美容やアンチエイジングに関心の高い女性の間では有名な「プエラリア(学名はプエラリアミリフィカ)」。
亜熱帯地域の落葉樹林に自生するマメ科の蔓植物で、大豆の約40倍のイソフラボンを含有しています。
このプエラリアは、バストアップのサプリメントによく使われていますが、摂り過ぎには注意しなければなりません。
今回は、プエラリアの摂り過ぎによる副作用や1日の摂取上限値、プエラリアの代わりとなる成分にはどんなものがあるのかをお話します。
プエラリアの摂り過ぎによる副作用とは?
プエラリアには、女性ホルモンの1つであるエストロゲンに似た働きをする「イソフラボン」が豊富に含まれています。
しかし、摂り過ぎるとエストロゲン過多となり、以下のような副作用の症状が出ることがあります。
- PMSの症状(生理痛、イライラ、鬱)の悪化
- 乳がん、子宮がんのリスクが上がる
- 子宮筋腫のリスクが上がる
- 不妊
- 胸のハリやしこり
- 生理不順
- 下痢や便秘
- 大人ニキビ
思い当たる症状がある場合は、プエラリアの摂り過ぎなので直ちに摂取を中止しましょう。
プエラリア摂取の目的
出典:http://xn--u9jva6j2csa5d7a3d7cb3swhp272b1qwad67fexzes46a.com/
プエラリア摂取の目的は大きく3つに分けることができます。
- プエラリアミリフィカに含まれる成分「プエラリン」によるバストアップ効果
- ホルモンバランスの改善による更年期症状の緩和、PMS(月経前症候群)の軽減
- エストロゲン分泌量低下を補うことによるアンチエイジング効果
おそらく、このうち最もニーズが多いものは1ではないでしょうか。
2を目的とする場合の摂取の目安ですが、生理が順調に来ているのであればホルモンバランスが良い状態なので、プエラリアの摂取は必要ありません。
また、ピルを服用している場合はピルで既にホルモンバランスを整えていますからプエラリアの摂取はしないでください。そして使用の目的を問わず、がん治療のために薬を飲んでいる場合もプエラリアを摂取してはいけません。
プエラリアには白・赤・黒・黄・灰の5種類がありますが、バストアップに効果があるのは白(ガウクルアとも呼ばれる)のみで、他の種類には強い毒性を持つものもあります。しかし、粉末や錠剤に加工してしまうと見分けがつきません。
国立医薬品食品衛生研究所の研究では成分分析・遺伝子分析を行った結果、プエラリアミリフィカ以外の植物(サツマイモとかクズイモ等)が原材料であったものが約半数だったといった研究結果が報告されている。
出典:Wikipedia
Pueraria mirificaを含む「健康食品」について成分分析 を含む「健康食品」について成分分析遺伝子分析を行った結果、約半数はプエラリアミリフィカ以外の植物(サツマイモ、クズイモ等)が原材料であった。
出典:独立行政法人国民生活センター
このように「偽装プエラリア」も大量に出回っていることがあり、誤って飲んでしまうと、頭痛・吐き気などの症状が出ます。
購入される際は、信頼できる業者のものを使用するように、十分に気を付けましょう。
プエラリアの摂取量の目安と上限値
プエラリアのサプリメントはたくさんの種類があり、それぞれ1回分に含有されているプエラリアの量も違います。
サプリメントのパッケージに記載されている規定量を守ることが大前提ですが、日本では厳密にプエラリアの摂取量の目安が決められていません。ですから、本記事ではプエラリアミリフィカの原産国であるタイの基準を記載します。
タイでは、「プエラリアミリフィカのサプリメントの1日の摂取量は100mgを超えてはいけない」と決められています。
また、副作用の危険性が生じるプエラリアの摂取量は1日400mg。これを超えると、副作用が出てくる可能性が極めて高くなるので、絶対に超えないようにしましょう。
【1日の摂取量目安100mg⇒上限値400mg】と覚えておいてください。
ところが!!……実際には、プエラリアを配合したサプリメントの中には、1日分で上限値400mgを超えているものがたくさんあります。
「多ければ良し」と安易に考えず、買う前にしっかり確認して選ぶようにしましょう。
主なバストアップサプリ1粒当たりのプエラリア含有量
参考までに、1粒当たりのプエラリア含有量を載せておきます。1日あたり2~5粒目安となっているものが多いので、【1粒当たり含有量×粒数=1日あたりの摂取量<400mg】となるように摂取してください。
サプリ1粒当たりのプエラリア含有量↓
プエラリア以外のバストアップに効果的な成分
プエラリアは、副作用の危険もあってどうしても怖い…代用できるものはないのか不安な方もいるでしょう。
プエラリア以外にもバストアップに効果的な成分はあります。
大豆製品
納豆や豆乳などの大豆製品にはイソフラボンが豊富に含まれており、バストアップや美肌に効果的です。
ホルモンバランスの乱れによる更年期症状を改善する食品としても注目されています。納豆1パックと豆腐の味噌汁1杯で1日分のイソフラボンを簡単に摂ることができます。
ボロン
エストロゲンの分泌を活性化させる成分。キャベツやりんご、アーモンド、海藻類など様々なものに含まれています。
ただし熱に弱いため、加熱せずに摂ることができるりんご、アーモンド、とろろ昆布などがオススメです。
プラセンタ
プラセンタの血行促進作用、細胞活性化作用で乳腺が発達し、バストアップにつながるという原理です。副作用もなく、アンチエイジング効果もあるので、大変注目されています。
ビタミンC
加齢によるバストの下垂が気になる方には、コラーゲンの生成を促すビタミンCを摂ることがオススメです。
胸の土台となる「クーパー靭帯」の主成分はコラーゲンなのですが、ビタミンCを摂ることでこのクーパー靭帯の劣化を防ぐことができます。
胸が小さい原因はホルモンバランス以外にもある
プエラリアなどでホルモンバランスを整えても胸が大きくならない場合は、それ以外の原因が考えられます。そもそも、胸が小さい原因はホルモンバランス以外にもあるのです。
痩せすぎ
女性の場合、BMI値が20以下だと痩せすぎで貧乳の傾向が見られます。BMI値はこちらで簡単に計算できます。
タンパク質の摂取量が足りない
タンパク質のなかでも、とくに肉類の摂取量が足りないと考えられます。野菜ばかり食べていても胸は大きくなりません。
運動量が少ない
仕事を始めると運動をする機会が少なくなりがちです。すると、血液循環が悪くなり下半身に脂肪が蓄えられやすくなるようです。
つまり、上半身(胸)に脂肪がつかなくなるのです。日頃から運動をし、上半身に筋肉をつける習慣を身に付けましょう。
姿勢が悪い
姿勢が悪いと、バストが垂れたり小さく見えます。姿勢の直し方は簡単で、腹部~下腹部にかけて力を入れるだけです。
これで背筋が曲がりにくくなります。お腹が出ていて悩んでいる人には、お腹がへこみ姿勢が綺麗になって一石二鳥ですね。
ウエストが太い
ウエストやお腹回りに脂肪がついている人や、胃下垂の人はウエスト回りが胸より目立ってしまうので、結果貧乳に見えてしまいます。
とくに細い体型の人や運動をしていない人は胃下垂になりがちで、食後はお腹がぽっこり……。胃下垂は、腹筋をして姿勢を正す習慣を身につけることで少しずつ治っていきます。
さいごに
細いのに胸が大きい女優さんはたくさんいますが、皆さん堂々としていて見ていると羨ましいですよね。
しかし、バストアップのためにプエラリアを摂り過ぎてしまうと副作用で悩むことになってしまうかもしれません。
バストアップには、ホルモンバランス、体質改善、運動、食事など多様な要因があるのです。もう一度生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。