「起立性調節障害」というのは自律神経失調症の1つです。思春期の女子に多いとされる病気ですが、大人になってからも症状の軽減がされないまま、ずっと悩み続ける人もいます。
「病名を知らない」「何科を受診すればいいのかわからない」などといった理由で、実際に通院して治そうとせず一人で悩んでしまう人も多いようです。
今回は、そんな起立性調節障害に悩む大人が、何科を受診すればいいのかなどを詳しく説明します。
大人の起立性調節障害は何科にかかればいいのか?
起立性調節障害は、思春期によく見られる病気なので、子供の場合は小児科でかまいません。しかし、大人の場合はまず総合内科で症状を説明して判断してもらいましょう。
すでに起立性調節障害と診断されている場合は、「心療内科」か「循環器科」で診てもらいます。どちらを受診するかは、起立性調節障害の原因によって変わってきます。
病院に行く際は、症状や自分の生活習慣、ストレスと感じていることなどを話すと早期治療に繋がりやすいでしょう。
そもそも起立性調節障害とはどんな症状か
起立性調節障害とは、自律神経失調症の1つです。症状としては、次のようなものがあります。
- 朝起きられない
- 朝、体が重くて動けない
- めまい、立ちくらみ
- 頭痛
- うつ
- 食欲不振
- イライラする
- 寝つきが悪い
子供の頃から起立性調節障害であった場合、大人になると症状が軽減されることが多いのですが、男性で29%、女性で49%の割合で症状が残ることがあるようです。
参考:http://futoko-support.com/
しかし現状は、起立性調節障害で通院している人はかなり少ないようです。
起立性調節障害のセルフチェック
起立性調節障害を診断するために病院でも行われる「起立試験」というものがあります。手伝ってくれる人1名と血圧測定器があれば、自宅でセルフチェックができます。
自宅でできる起立試験のやり方
- 仰向けに寝てリラックスした状態で、血圧を測る
- 起き上がってまっすぐ立ち、すぐに血圧を10分間測る(10分間測定し続けることができない測定器の場合は、2~3分置きに測る)
- 上記1~2を3セット繰り返す
血圧を測られる人は必要以上に動いてはいけないので、手伝ってくれる人が必要です。測った血圧の数値は毎回きちんと記録しましょう。
この試験の記録では最高血圧を見て判断できますが、注目すべき箇所は以下の3点です。
- 立ち上がってすぐの血圧は低下しているか
- 立ち上がってから、もとの血圧に戻るまでに何分かかるか
- 脈拍に変動はないか
少し具体的に説明すると、
- 立ち上がってすぐに血圧が20mmHg以上下がった場合
- 立ち上がってすぐは血圧が下がらないが、ゆっくりと下がって最終的に20mmHg以上下がった場合
- 立ち上がって血圧が下がり、25秒以上経ってももとの血圧に戻らない
- 立ち上がったときに、脈拍が寝ていた時より35以上上がる
上記項目のうち1つでも当てはまると、起立性調節障害の可能性が考えられますので、症状がつらいときは病院の総合内科を受診しましょう。
参考:http://healthil.jp/26383
思春期に多い起立性調節障害。大人の場合の原因は?
では、起立性調節障害の原因とは何なのでしょうか?思春期でも大人であっても、主な原因は以下のとおりです。
- 生活リズムが不規則
- ストレス
- ホルモンバランスの変化
- 環境の変化
自律神経の乱れが直接の原因といわれており、朝起きても交感神経がなかなか働かないことで様々な症状が出てしまいます。生活習慣はもちろん、ストレスなどの精神的要因も大きいのが特徴です。
起立性調節障害の治療方法は2つ
起立性調節障害の治療方法は、次の2つの方法で治療を進めていきます。
- 血圧が下がるのを防ぐ治療
- 自律神経を整える治療
1の場合、たいていは薬を処方されて血圧を下げるようにします。また、
- 塩分は1日10〜12g以下
- 水分は1日1.5リットル以上
といった方法で血圧の低下を防ぐこともあります。
参考:http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
しかし、1は根本的な治療ではないため、完治させたいならば2の方法をします。
起立性調節障害は、生活リズムを整えることが第一なので、食生活・睡眠リズム・運動量の改善をまず始めます。とくに夜更かしは絶対にいけません。
生活リズムが整えば、かなり症状が軽減される可能性が高く、病院で診察する場合も、まずは生活リズムを整える指導を受けることが多いでしょう。
また、大人の場合は精神的ストレスも大きな原因となっている場合があるので、その際は心療内科での治療が必要となってきます。
生活面で気をつける3つのこと
起立性調節障害の症状を軽減したい場合、以下のことに気をつけましょう。
1.夜更かしをしない
起立性調節障害にかかっている人は、眠くなるまでスマホやパソコン、ゲームなどをしていることが多いようです。まずは早寝をする習慣をつけることが第一です。
2.急に立ち上がらない
朝起きるときは急に立ち上がったりせずに、数十秒かけてゆっくりと起き上がりましょう。起立中は、足踏みをすると血圧低下を防ぐことができます。
寝ざめにけたたましい音で跳ね起きることの無いよう、明るい光で自然な目覚めを促してくれる光目覚ましを使うと理想的です。
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3.気温の高い日に注意
日差しが強く暑い日は、外出時間に気をつけましょう。長時間暑い場所にいると、血管が拡張して血圧が下がります。脱水にも注意しましょう。
さいごに
起立性調節障害は、日常生活に支障をきたすうえに「怠けている」と誤解されがちな症状なので、社会人はとくに悩む病気だと思います。漫画の彼のように。
生活習慣の改善やストレスの原因をなくすことで症状が軽減されていきます。今回の記事がつらい起立性調節障害を少しでも改善するキッカケになりますように。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。