「人生の目標は、目標のある人生を送ることである」
たしかに、無為に生きる人生では充実したものになり難いのは事実。目標に向かって邁進している時、人は内面の充実を得るものです。
しかし、ここで1つ気をつけなければならないことがあります。
もしかすると、勢いだけで「無理な目標」を立ててはいないでしょうか?
そして、自分が立てたその目標のために、強迫観念や自己嫌悪で苦しむことにはなっていないでしょうか。
これでは、せっかくの情熱と行動が仇となりかねません。目標のゴールは立てることではなく、クリアすることです。
この記事では、そんなことにならないための「目標設定の5大原則」を解説していきます。
目標設定は妥当レベルで考える
自分のレベルを向上させるために、目標を高く持つことはたしかに大切です。
しかし問題となるのは、目標と現実との「ギャップ」です。両者があまりにもかけ離れていると、そもそもやる気が起きません。
そうなると、単なる「絵に描いた餅」になってしまいます。
あるいは、
やれどもやれどもいっこうに近づかない目標に自分の無力・限界を感じて、ついに自信喪失してしまったり、焦燥感から自己嫌悪や他人に八つ当たりしてしまう、などということもよくあることです。
長期的には「目標を達成した」という成功体験を積むことのほうが「高い目標」を立てることよりも、重要なのではないでしょうか。
ステップ・バイ・ステップで徐々に目標のハードルを上げて、無理なくそれらを達成し続けていくやり方のほうがどう考えても精神衛生上も健全なはずです。
レベル5のプレイヤーが次はレベル30を目指すのではなく、次はレベル6になることを目標にするということ。
レベル6になったら、次の目標はレベル7に書き換える。レベル30を目指すのは、レベル29になってからでいいのです。
もし今あなたが自分の身の丈に合わない高すぎる目標を掲げて挫折を繰り返し、自信喪失しているのなら、「目標の立て方」そのものを一度点検してみたほうが良いかもしれません。
目標設定の5大原則“SMART”
スマートな目標の立て方は「SMART」と覚えてください。目標設定の5大原則「SMART」とは次のようなものです。
M…【Measurable】数値化できる
A…【Achievable】達成可能で
R…【Realistic】現実的な
T…【Time】締切がある
この5つの原則に基づいて立てられた目標であれば「絵に描いた餅」になることは、まずないはずです。
SMARTな目標設定の具体例
わかりやすい例としてダイエットをとりあげてみます。
この場合、ただ「今より痩せる」というだけの目標では達成できないことは容易に想像がつきますね。
先に紹介したSMARTの5原則に基づく目標設定ではこのようになります。
Specific(具体的に)
- ベルトに乗っかった脂肪だらけの三段腹を凹ませる
Measurable(数値化できる)
- 今より体重を5kg減らし、体脂肪率を5%引き下げる
Achievable(達成可能で)
- EVとエスカレーターはやめて階段を使う
- 電車は目的地のひと駅手前で降りて歩く
- 1日に飲むコーヒーの1/2はブラックに
- 間食を減らすためにガムを噛む習慣を
Realistic(現実的な)
- ジムでのハードな有酸素運動や筋トレはしない
Time(締切がある)
- 今日から3か月後の午前0時までに達成する
さいごに
目標は「短期スパンで更新し続けるものである」と捉えてください。
最初に立てる目標は「間違いなく達成可能なもの」にすることが重要です。
これが目標達成のためには、必須の条件になります。
無謀にもいきなり20段の跳び箱を気合いで跳ぼうとして「やっぱりダメだった」となったとき、あとに残るのは「12段でも無理かも」というマイナスイメージだけです。
そうではなく、「達成した」という小さな成功体験を積み重ねて自信をつけることのほうが、長期的にみれば高い目標にまで到達できるのです。
ぜひ、今日からSMARTな目標設定を心がけてみてください。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。