人間関係はストレスの原因第一位ともいわれていますが、それをストレスと認識すれば、日々はストレスに満ちています。
しかし、凝り固まった思い込みをほぐせば、これまでストレスだった人間関係がそうではなくなることもよくあります。
人間関係=「めんどくさい」。人間関係=「トラブルの元」。
もしあなたがそう感じているのなら、この記事を読んだ後少しでも肩の力が抜けると抜けるといいなと思っています。
1.ときどき自意識をOFFにする
人間関係の悩みは、ほとんど「自意識過剰」が原因です。
人間には“自我”というものがあります。簡単にいえば、自我とは「自分」という意識のことです。そして、この自我はほかの動物にはありません。
自我は「自分と他人」という区別をする意識でもあります。「自分」という意識が働くから「相手」という別の存在が認識できます。
すると、「自分と相手の意見は違う」という葛藤が起こるわけです。
動物に過剰な自我はない
猫や犬といった動物、さらに高い知能を有するイルカでさえ人間のような自我は持っていません。
イルカは仲間同士でケンカも対立もしないそうです。それは、「自分と相手」という自我がなく、感覚的には「わたしはあなた」「あなたはわたし」となるからです。
強い自我があるからこそ悩む
一方、人間は人間同士の関係で大いに悩みます。それは「自分の主張・価値観・幸せ」など、他人を後回しにしてでも自分を最優先したいという“自我”の仕業なのです。
人間関係で悩みやすいのは、自我が旺盛な人です。さらに言い換えれば「自意識過剰」な人です。
「受け流す」という感覚
相手から出た言葉や、目の前で起こっている出来事を自分という「生身の体」で受け止めさえしなければ、それほど傷つくこともイラつくこともありません。
自意識過剰な人は、意識的に目の前の苦痛な出来事を「自分を素通りしていくような感覚」、もっと言えば「自分は網戸」という感覚で受け流すと良いでしょう。
網戸だったらどんな強風が吹いても破れません。どんな強風も一切受け止めてはいないのですから。ただ自分というフィルターを「通過」させただけ。
ぜひ、自由自在に網戸になれる人になりましょう。
言ってみれば、いったん他人事にしてしまうことです。全部まともに受け止めるからショックが大きいのです。
2.価値観に柔軟性をもたせる
価値観とは「これが当たり前」と感じる観念であり、物事を図るモノサシ、判断を下す「基準」のようなものです。
価値観には「学歴」「仕事」「収入」「時間」「家族」「友人」「衣」「食」「住」など様々なものがあります。これら「価値観の相違」が古今東西、人間関係のトラブルの最大の原因です。
誰の価値観も偏っている
僕らが「価値観」と呼んでいるものは、自分が今までに出会った“情報の偏り”によってつくられたものです。しかも出会ってきた情報は世界に存在する情報の「ごく一部」です。
それらの情報の中でも特に強い影響を受けているのが子供の頃に「親から与えられた情報」と「社会通念」の2 つ。
しかし親からの情報には偏りがあり、社会通念は一時的なブームからつくられているものが少なくありません。
つまり、どちらも絶対的なものではないということです。今は非常識なことでも、5 年後には常識になっているかもしれない。あるいはその逆も。そんなことは実際にいくらでもあります。
だから「自分の価値観はいつも絶対的に正しい」などとは思わないことです。
3.「仕方がない」と受け入れる
世の中には「どうしようもないこと」がたくさんあります。
- 明日は絶対に晴れてほしいと思っても雨は降る
- 1日が36時間なら良いのにと思っても24時間しかない
- 歳はとりたくないと思っても毎年誕生日は来る
- 全員から好かれたいと思っても誰かには嫌われる
そしてこれらの「どうしようもないこと」をどうにかしようと考えるところから悩みが生まれるのです。
「何とかしよう」などと思わずに、ありのままを受け入れ「それをいかに楽しむか」「いかに乗りこなすか」を考えることで人々が抱える悩みの大半は解決します。
必死に探し続けても見つからない答えなら、いったん横においてみるのも良い手です。「探すのをやめたとき、見つかることもよくある話」なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「どうしようもないこと」をどうにかしようと考えるところから悩みが生まれるというのは本当です。
そして、人間関係も「どうしようもないこと」の部類に入ります。だって、完全にコントロール下に置くことはできないでしょう?
人間関係を難しくしないためのコツをまとめておきます。人間関係を固く考え過ぎて、ストレスの元にするくらいならもっとユルくこんな感じでとらえてみてください。きっとその方が、なにかとうまくいくはずです。
- いちいちまともに受け止めずときどき網戸化する
- 自分の価値観も相手の価値観も絶対的なものではない
- どうしようもないことで悩むだけ人生の時間がもったいない
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。