自分で壁を高くしている
人はいったん目標を設定すると、実際の行動に移す前からその目標を大きく難しくとらえてしまう傾向があります。 実際にやってみたら「思っていたほどのことはなかった」と感じたことは、あなたも一度や二度ではないはずです。 人間が描くイメージは、自分が抱く感情とリンクしています。抱いた感情から自己イメージと実際の行動が生まれるのです。できると固く強くイメージする
つまり一番初めの出発点は“感情”であるということです。まず、ここを強く意識しなけれなりません。 多くの人は「とにかく行動することが大事だ!」と具体的なイメージを持たずにいきなり走りだします。 その勢いで目標達成まで走り抜けることができればそれでもいいのですが、多くの場合それでは続きません。 目標を達成する過程の自分、目標達成後の自分の姿。それを具体的にイメージ(妄想)することが肝心です。イメージできないことは実現できない
達成したい目標やなりたい自分像がある場合は「すでにそうなっている自分の姿」をできるだけ詳細にイメージします。 ここが大切なのではっきりさせておきたいのですが、 「イメージできないことは実現できません。」 過去の偉大な発明の数々を見ても分かるようにまず「イメージすること」から現実化は始まるのです。 「0→1」をしようと思ったら、まずは想像することです。楽しく、しかし真剣にやる必要があります。 たとえば、達成したい目標が「年収1000万を超える」という場合。 それを達成したときの自分の姿を鮮烈なイメージとして脳に刷り込みます。具体的に妄想することが大切
年収が1000万を超えたときの自分はどんな部屋に住んでどんなクルマに乗り、どんな腕時計をして、どんな服を着て、どこで買物をして、どんな店で食事をしているのか。 休みの日はアウトドアや仲間を呼んでホームパーティをし、年に最低2回くらいは海外旅行に行っているだろうな…とか。 もっとできるだけ細かいところまでイメージします。 願望や欲望の単なる羅列でもまったく構いません。もはや、ほとんど妄想のレベルです。狂信的な思い込みが必要
こんなことバカげていると思いますか?こんな妄想をしてるヒマがあったら、さっさと行動を起こしたほうがいいと思いますか? このひと手間を惜しんで目先の行動を焦ったためにどれだけの人が何度も挫折していることか。 潜在意識にまでイメージを到達させられるかどうかで、 狂信的に思い込むことができるかどうかで、 得られる結果には圧倒的な差が生まれます。プロボクサー村田涼太選手の場合
このことについてエピソードを1つ紹介します。 現在プロボクサーとして活躍中の村田諒太選手が2012年ロンドン五輪で金メダルを獲ったときの話です。 オリンピックのボクシングで日本人が金メダルを獲る。これはとんでもない快挙です。 しかも全階級中最も選手層の厚い「ミドル級」で獲ったなんて、もはや奇跡に近いこと。 欧米の選手に比べ同体重の体格で劣る日本人には無理。それが「村田選手以前」の常識でした。冷蔵庫の張り紙が刷り込んだ
村田選手の自宅の冷蔵庫には、オリンピック前の練習の頃からある貼り紙がしてありました。 奥さんが貼ったというその紙にはこう書かれていたそうです。ロンドンオリンピックで金メダルを獲ることができました。応援ありがとうございました。まだ大会前の練習の真っ最中なのに、もう獲ったことにしていたんです。 冷蔵庫を開ける機会は毎日何度もありますから、毎日繰り返しその貼り紙を目にすることになります。
目標を過去の実績と思い込む
それによって村田選手は「すでにそうなっている姿」とそのときの「気分」までありありとイメージすることができ、実際にその通りの結果を手に入れました。見据えていたのは金メダルの向こう側
金メダルを獲った後のインタビューがまた印象的でした。金メダルを獲れたことはうれしいけれど、今後の人生を金メダルに恥じないものにすることのほうが大切だと思っている。目標を達成した「その先」まで見据えていたんですね。 そんな人にとっては金メダルは通過点なのかもしれません。 大切なことは「潜在意識のレベル」から目標を掴みにいくということ。