人は目の前の出来事や自分の体験などについて、自分特有のものの見方・考え方を通して解釈し行動します。
つまり、一度思い込むと「思い込み通り」の行動をとってしまう生きものなのです。この思い込みがもたらす効果には、メリットとデメリットの両方があります。
思い込みの効果『心理的安心感』というメリット
「病は気から」と言うように、気持ちがすぐれない時に具合が悪くなったり眠れなくなったりと、良くない思い込みが続くと体調に影響することがあります。
ところが、お医者さんから「この薬は効きますよ」と言われると、実際には薬ではなくても症状が改善する事もあるというものです。
これは、「プラシーボ(プラセボ)効果」といわれるもので、実は中身が砂糖やでんぷんでできた偽物の薬を服用しても、お医者さんから処方されたものだという「安心感」から本当に効いてしまうこともあるそうです。
出典:北里研究所病院│BRC│プラセボってなんだろう?
思い込みの効果『心理的不安感』というデメリット
これは「ノーシボ効果」と言います。先ほどとは逆のパターンのお話です。
「これは副作用が出る薬です」と言われたものを服用すると、本当に副作用が出るなど効果がマイナスに作用してしまうような現象のことです。言葉そのものは「害を及ぼす」という意味です。
「心と体は分けられない」
意識と無意識、理性と感情、すべて分けて考えられないものです。つまり、精神的な思い込みが体にも悪影響を与えてしまうということですね。
3つのシーン別「思い込み」のマイナス効果
1.ビジネスシーンで・・・
ある仕事の結果に対して「失敗」と解釈してしまい、「私はいつもダメだ、やっぱりできない」と思い込み、いつまでもくよくよ悩むという行動をとってしまいます。
周りの人にあきらかにわかるようにスネたりイジケたりして、挙句にその仕事自体を避けてしまい信用を落としてしまうことになってしまうケース。
2.プライベートで・・・
「私は結婚できない」と思い込んだとします。そうすると、男性に対しての配慮がなくなり、おシャレにも手抜きになり、コンパや飲み会などの出会いの機会を作ることなく、自分だけの楽しみを見つける行動をとってしまう。
出会いの機会が減り、結局本当に結婚ができない事につながってしまうケース。
3.就職活動において・・・
「私はどうせ面接で緊張して不採用になる」と思っていると、練習にも向き合えずただ一人で黙々とセリフを覚えて本番を迎えることに。
人の前で話すことに慣れることができず、本番では本当に緊張がマックスになり言いたい事も言えず、結局「不採用」になる可能性が高くなるケース。
まとめ
いかがだったでしょうか?
どうも私たちはプラスの思い込みよりも、悪い思い込みをしやすい傾向にあるようです。
あなたは日ごろ、ついネガティブに考えてしまうことってありませんか?そう考えてしまう「思い込み」は、あなたの「思考のクセ」かもしれませんね。
考えようによってプラスにもマイナスにも働く「思い込み」の力、自らの人生を豊かにするために、うまく使ってよりよく生きたいものですね。
先程のビジネスシーンの例でいえば、目の前のうまく行かなかった経験を「教訓」と解釈して、建設的に考え、改善する行動をとるという「ポジティブな発想」に転換できるといいですね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。