「子供たちの未来のために、教育現場で情熱を注ぎたい!」
そんな夢と希望を胸に飛び込んだ世界。
ところが、いざフタを開けてみると現実はそんな甘いものじゃなかった。
苦しくて、辛くて、悲しくて、せっかくなれた小学校教師を辞めたいと真剣に悩んでいる…
でもそれらは、教師を取り巻く環境のほんの一部分。いわば氷山の一角。
本当はもっと深刻で、言葉にできない感情がジワジワと教育の現場の教師を締めつけているようです。
本記事はおもに小学校教師1年目の方を対象に書いてます。
小学校教師を辞めたいと思う誰も語らない理由
小学校教師を辞めたいと思う本当の理由は、現場で感じているこれらの感情かもしれません。
- 失望
- 孤独
- 無力感
あなたも思い当たることがありませんか?
1.失望
子供が大好きで一緒に過ごす仕事に就きたい。明るく元気な子供たちに、いろんなことを教えてあげたい。
教育に対する熱意と希望を持って小学校教師になったものの、いざフタを開けてみると現実は大きく違っていました。
大学では誰も何も教えてくれなかった事実に直面して、「もうどうしていいのかわからない」状態。どんなに頑張っても状況は変わらず、悪化の一途をたどるのみ。
こうなると、もはや何のやりがいも感じられません。
失望に打ちのめされた教師は辞めたいと思ってしまうかもしれません。
2.孤独
「教室」という密室の中で教師はひとりぼっちです。
授業研究では教室内に同業の見学者がいることもありますが、基本的に教師は「ひとりだけ」の空間です。誰も助けてくれません。
無言のハラスメントでストレスが蓄積することも
また、これはどんな業界・職種にもいえることですが、無意識に新人に厳しい目を向けてしまいがちな職場風土があります。
あからさまなハラスメントではないけれど、無言の態度や視線にこめられたパワーハラスメントやモラルハラスメントが存在します。
ところが、新人はそうしたハラスメントを「至らない自分のせい」だと思い込んでしまいます。
正当な「指導」だと思い、ハラスメントを受けているという認識がありません。もちろん、ハラスメントをしている側にもそんな自覚はないでしょう。
ですが、意識的にはハラスメントだと感じられなくても、心の奥では敏感に感じ取っていたりします。
それが大きなストレスになっていることに、教師自身も気づいていません。
3.無力感
頑張っているのに、子供たちに慕ってもらえない。保護者からの苦情も絶えない。先輩や同僚に迷惑をかけてしまう。
いったい自分の何がいけないのか?
そんな自分が情けなくて仕方がない。
どうしようもない無力感に苛まれて、なす術もなく、1人うずくまってしまう夜もあるかもしれません。
小学校教師を辞めたいと思うことへの罪悪感
きっと小学校教師を志す人は、正義感と責任感が強い人が多いんだと思います。
- 「学級崩壊」は、自分の能力や努力が足りないせいだ。
- 子供たちや保護者と良好な関係を築けないのは、うまくやれない自分に原因がある。
- 仕事に時間がかかってはかどらないのは、要領がよくないからだ。
そんな風に自分を責めてばかりいませんか?
もしかすると、教師としての経験がまだ浅く十分ではないのかもしれません。
でもそれは、教師個人の人間性とはまったく関係のない問題です。
そのつらさは環境のせいかもしれない
大学教育そのものや、卒業後の現場支援の問題が大きいのかもしれません。
医師や歯科医師には卒後の臨床研修が義務付けられています。あくまでも「卒業=一人前」ではないのです。
看護師にしても新人のプリセプター制度が整っており、数年間かけて新人を段階的に専門職業人に育てていきます。
教師ひとりの努力には、限界があるのです。自分だけを責めることのないようにしましょうね。
辞めたい気持ちを克服する工夫
小学校教師が仕事で悩むのは、たとえば次のようなことではないでしょうか。
- 授業の準備の負担
- 学級崩壊でお手上げ
(アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害、自閉症、発達障害児童との接し方) - いじめが起きている
- PTA活動や保護者との関係が難しい
- 委員会活動の負担
- クラブ活動の負担
- デスクワークの負担
- 出張以外の研修会(自己参加)
それぞれに、適切な対処法というのはあります。それは、難しいことばかりではありません。
「やり方」さえわかればできることです。
小学校教師に採用されて、初めて受け持つ学級。
いきなり担任をまかされても、最初からうまくいくはずはありませんよね。
先輩である副担任の先生や学年主任の先生がいても、「何をどう聞けばよいのか」さえわからないかもしれません。
「下手な質問をして怒らせてしまったらどうしよう」
そう考えると、もう何も聞けなくなります。
大丈夫。最初の1年間は、とにかくすべてが新しいことの連続です。そこをひと通り経験して初めて、2年目に全体像が見えてきます。
3年目になると勝手がわかってくるので、計画的に仕事を進めることができるようになり、自分なりのペース配分ができるようになってくるでしょう。
続けることが苦しくて仕方ないなら…
とはいえ、最初の1年目の緊張と不安はやはり相当なもの。辞めたいと思ってしまうのも無理はありません。
どうしてもムリだと思ったら、潰れてしまう前にやれる勇気をもってください。
この世界に仕事は1つではないですが、あなたの体は1つだけです。
次章からは、小学校教師を辞めたあとの生活についてお伝えしていきます。
小学校教師を辞めたあと、どうしたらよいのか?
小学校教師を辞めたら、しばらくは元気を取り戻すことに専念しましょう。
何よりもあなたの健康が第一です。
場合によっては「うつ」の治療や、体調を整えることが先決です。旅行に行ってもよいし、好きな趣味に没頭してもよいでしょう。何もしないでボーッとしている時間も必要かもしれません。
また、辞めたことで気持ちに余裕ができたなら、次のステップ(転職)に取り組んでもよいでしょう。
転職には、あなたが持っている強みや適性を客観的に判断して新しい職業をみつけてくれる専門家を利用するのが早道です。
無料登録で相談できるので、気軽に転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。
ハローワークの窓口では、様々な職業の適正検査や転職の相談にのってくれます。
>>ハローワークインターネットサービスはこちら
DODA:(株)インテリジェンスが提供する業界最大級の転職サイト。80〜90%が登録者のみに開示される非公開求人情報。ぜひチェックしておきたいサイトです。
リクナビNEXT:無料登録であなたの経験やスキルの市場価値を分析できます。
リクルートエージェント:日本以外の世界16ヵ国で事業展開している日本最大級の転職エージェントサービスです。
マイナビエージェント:非公開求人80%。業界専任のキャリアコンサルタントが転職活動をサポートします。
さいごに
仕事は、心やからだの健康を損なってまでも、必死に続ける必要はありません。
憧れてなりなくてなった小学校教師を辞めることも、やむを得ない選択です。
ただ、直面している様々な問題の解決方法がわかれば、明るい未来への希望が持てるかもしれません。
今は辛く苦しくても、その状況がどう変化するのか先の見通しがつけば、もう少し感じ方が変わるかもしれません。
それでも自信がなければ、きっぱりと辞めていいのです。罪悪感に苦しまないでください。
言い出せなければ、今は弁護士による退職代行サービスもあります。
進むべき道が違っていた、自分には合わない環境だった、小学校教師という仕事を楽しめない。そんな時は、悩まずに辞めてもいいのです。
潰れてしまいそうだけど、どうしても辞める決心がつかない時はたとえば「休職」というワンクッションを置いてみませんか。
あなたが小学校教師を「辞めたい」と思った理由をゆっくり考えてみてください。
職場を離れて何ヵ月間か過ごして戻った時に、やはり「ダメだ」と感じたら、その時は迷わずに辞めましょう。
誰のものでもない、あなたの人生です。
自分を大事にしてください。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。