なぜこの世には可愛いわが子を痛めつける親がいるのでしょうか?ライオンはわが子を鍛えるために谷に突き落とし這い上がってきたものだけを育てるといわれています。
しかし、「虐待」はそれとはニュアンスが違います。
虐待する親も悩んでいる
「育児ストレスでイライラしてやった」。ほとんどの虐待者が口にする理由です。もちろん誰も虐待したくてしているはずはありません。親も自分の現状について悩んでいるのです。
虐待してしまう親は「子供に対する接し方がわからない」と一人で悩んでいることが多いものです。
ずっとそのことで悩んでいるとストレスから情緒不安定になります。そこに「子供が言うことを聞かない」という要因が加わり攻撃性が発現してしまうパターンが多いようです。
「しつけの一部」は本当か?
「子供に対するしつけとしてやった」。これも虐待者がよく口にする言葉です。僕はずっと「そんなワケがあるか!!」と思っていました。だけど、あるんです。
“世代間伝達”という概念があります。これは「子供の頃に虐待されていた人は、大人になると虐待する側に回る」というなんとも悲しい説です。
それによると、虐待者は自分の経験から育児方法として、体罰を利用することを学習するというのです。
だけど、マイナスを伝承するかどうかを選ぶことはできます。虐待の連鎖は自分の世代で終わりにして次世代に伝えない。
自分が虐待を受けた分、子供には同じ思いをさせない。愛情いっぱいに育てたい。負の連鎖をあなたの手で断ち切ることは選べます。
虐待者の共通点
「精神的な未熟さを抱え、自己を確立できないまま成長した大人」。これが虐待者の大半を占めるといわれています。
実際、そんな大人は世の中に腐るほどいるのではないでしょうか。でも現実にはその大人が全員虐待をしているわけじゃない。
虐待の心理的要因
子供を虐待する心理には4つの要因があります。
- 自己嫌悪など自分の内面の感情を子供に向けている
- 自分が子供に愛情を与えるのではなく愛情を求めている
- 他者に対する怒りなどの感情を子供に投影している
- 「きちんと育てなければ」という強迫観念にとらわれている
しつけと支配を混同しない
子供をしつけることはあっても支配すべきではありません。支配は子供の人格を否定することにつながります。
ダブルバインドに注意せよ
子供に「自分の意見をちゃんと言いなさい!」と命令しながら、子供が何か言おうとするとイヤな顔をする。
「自分から進んで行動しなさい!」と命令しながら、自らの意思で行動しようとすると「勝手なことをするな!」と叱る。
こういった矛盾状況はダブル・バインド(二重拘束)と呼ばれ、この状況に置かれた子供は「何をどうすればいいのか」分からなくなります。
そして思考が停止し、親に支配されやすい状態になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?これを機に、あなたも自身の言動を振り返ってみてください。チェックポイントは以下の3点です。
- 虐待を受けた過去があるなら自分の世代で終わらせる
- 虐待してしまう理由が自分の内面にないか考える
- 子供の人格を完全に支配しようとしない
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。