「有言実行」と「不言実行」とでは、やり遂げるという点において差はありません。ですが、一般的には「不言実行」が美徳とされています。
「ウダウダ言わずにやってみせろ」というヤツです。個人的には本田圭佑選手のように「有言実行」のほうが周囲に対しても自分自身もカッコいいと思います。
無論それは、言ったことが達成できればの話ですが。
有言実行はいうなれば“勝てば官軍”のようなハイリスクハイリターンのやりかたです。
その点、不言実行はローリスクハイリターンの理想的なやりかたといえるでしょう。
上司からの評価
人の満足度を示す、下記のような公式があります。
「満足度=実際の結果/事前の期待度」
この式からいえることは
- 期待度が同じなら結果の規模で満足度が決まる
- 期待度が低ければ同じ結果でも満足度は高くなる
ということは
意図的に事前の期待度を下げておくことで、より大きな満足を引き出すことができるといえます。
上司の期待はどう影響する?
- 期待されると力が出るタイプ
- 期待されると緊張して委縮するタイプ
世の中にはこの2タイプの人がいます。
あなたが前者なら「有言実行」でやればいいでしょう。他人に宣言することがモチベーションになるのなら。
一人で思っているだけでは弱いけど、他人に宣言した以上はやらざるを得なくなる。そういうふうに自分を乗せていけるタイプには有言実行というやり方が合っています。
でも、世の中には後者のタイプが意外と多いのです。その場合、自信は内に秘めたほうがいいでしょう。口にするとそれが「重圧」になってしまいますから。
1.ハードルを下げておくとラク
仮にその仕事に対する十分な自信があったとしても、「僕にはかなり厳しい目標ですがベストを尽くします」と思い切りハードルを下げておくことです。
理由は、そのほうが後々ラクだからです。
自分でハードルを思い切り下げておけば、どう転んでも「あれ以上のことはできる」と気持ちに余裕ができるのです。
そしてその気持ちの余裕が好循環を生んで実際に「当初の目標以上」という結果につながるのです。
人間がポテンシャルをフルに発揮できるのは「楽しんでやっているとき」なのです。そして、楽しめるにはその余裕がないといけません。
ハードルを下げる態度が「自信のなさ」ととられるか、あるいは「謙虚さ」ととられるかは相手次第であって、自分がコントロールできることではありません。気にする必要もありません。
でも、仕事なんて結果でしか評価されないので、要するに最後に出したものが「自分に対する相手の事前の期待値」を上回っていればそれでいいのです。
まずは謙虚に。そして実際の結果で「隠した爪」をガツリとみせれば、自分の格がグンと上がることになるでしょう。
2.ハードルを上げるリスク
反対に、最初から自分でハードルを上げ過ぎると、「言った以上は何とか期待に応えなければ」と気持ちに余裕がなくなってしまいます。
結果的に、期待を下回る成果しか出せなくなることがよくあるものです。実際問題、上げたハードルをさらに上回る結果を出すことはなかなか難しいでしょう。
たしかに、上げたハードルをクリアできれば「さすが〇〇さんだ!!」と称賛されるでしょう。まさに「有言実行」のひと。
でもクリアできなければ大風呂敷を広げただけの「口だけ野郎」に成り下がってしまうのです。期待外れだったと周囲をガッカリさせたり、それにより自信を無くしてしまったり。
それは「天国と地獄」、「諸刃の剣」です。有言実行で自分からハードルを上げることにはそんなリスクも伴います。
プレッシャーは追い風になるか?
自分にとってプレッシャーは追い風か、向かい風か。それはあなた自身が一番よく知っているはずです。
あなた自身に合ったやりかたを選んでポテンシャルをフルに引き出してください。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。