もしあなたが同僚や友人に冷たい態度をとられていたり自分への風当たりがキツいと感じているとしたら、その原因の一部はあなた自身にあるかもしれません。
このことについては以前、こちらの記事でも書いています。
嫌悪感も好意も相手に伝わるもの
好意にも嫌悪にも“返報性”というものがあります。人間は自分に友好的な相手に対しては友好的になり、敵意を持つ相手には同じように敵意を持つものです。
おそらく心理学であれこれと説明するまでもなく、感覚的に「それはそうだろ!」と思うはずです。
言葉にせずとも、あなたの感情は言外の所作に表れます。抱いた嫌悪感は口に出さなくても相手に伝わるのです。
相手は自分の内面を映し出す鏡だと思ってください。
赤ちゃんや幼児と接しているときにイライラしたりしかめっ面をしている人は少ないはずです。大抵の人は自然と顔がほころんで、優しい気持ちになるはずです。
それは相手が純真無垢で無邪気、純粋な心の持ち主だから。だから、接している自分の心も相手と同じように無邪気で純粋なものになるのです。
これが返報性です。
あなたが相手を嫌ってるから、相手もあなたを嫌ってる。本来、あなただけが被害者意識を持つのはおかしいはず。
自分は嫌っていても、嫌われたくないのが人間の心理なのでしょうが、実はお互い様なのです。
男女関係を除けば、自分が相手を好きにならなければ相手からも好かれることはありません。
相手と友好関係を築く方法は褒めること
相手と良好な人間関係を築きたいと思ったらどうするか?愛想良くする、下手に出る、メリットになる情報を与える。他にもいろいろ考えられますが、1つだけ挙げるとすれば、それは「褒めること」です。
「そんなわざとらしいのは嫌だ」と思うかもしれませんが、古今東西、これが鉄板のやり方です。
ただしその場合、一つのことに絞って褒めるのがポイントです。毎回毎回、違うことで褒めているからわざとらしいのです。
相手にうるさがられても、これと思ったことを褒め続けます。そして、できればそれは相手の内面や能力に関することが望ましいです。
「パッケージではなく、スペックを褒めろ」。これを意識してやってみてください。
内面を褒めようとすると、相手のことを知らないと無理だと気づくはずです。「褒める点を探すこと」を通じて相手に関心を持つようになるのです。
逆の立場で考えると分かると思うのですが、会うたびに毎回「今日もキレイですね」とか「いいネクタイですね」とか外見のことばかり褒められると、うっとおしくないですか?
わざとらしい上に、バカに見えてしまうかもしれません。そうなると完全に上下関係がハッキリしてしまうので、褒めるのは相手の内面限定にしましょう。
念のためにいっておきますが、「褒める」のと「媚びる」のはまったく別のことです。「私はあなたを認めていますよ」という堂々とした態度で相手のことを褒めればいいのです。
褒め続けることで人間関係に起きる変化
何度も何度も繰り返し、その一点だけを褒め続けることです。すると最初は「何を調子いいこと言ってんだ」と受け流していた相手も次第に「そうかなぁ」と思い始めます。
あなたの与え続けた承認の言葉は、確実に相手の潜在意識へと刷り込まれていきます。
人は1つのことを褒められ続けると、次第に自分の存在すべてを肯定されているような気がしてきます。
「承認されたい」という基本欲求がある以上、そんなふうに自己肯定感を高めてくれる相手とは「もっと一緒にいたい」と思うのが人間の心理です。
そのため、自然に相手との距離は縮まっていきます。
繰り返しになりますが、褒める点は毎回同じにすることです。ここがブレると、関係の構築に時間がかかってしまいます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
雨だれが石を穿つのは激しく落ちるからではなく、何度も落ちるからなのです。相手との壁を壊すまで“一点集中”で褒めてください。
身もフタもなくいってしまえば、それが「嘘」でもいいのです。
最後まで突き通せば、嘘も真実になるように。この「人を褒める」という行動も、あなたの人生を快適にするスキルになります。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。