職場の上司や同僚、お客さんとの関係が上手くいかずにストレスをため込んではいませんか?
日常的に付き合う相手との人間関係の良し悪しは、人生の質にも関わる大問題です。
人間関係の衝突も自動車事故と似ている
自動車の安全基準には「アクティブセーフティ」と「パッシブセーフティ」という概念があります。
前者はそもそも車両の事故を未然に防ぐ目的の安全装備のことで、次のようなものがあります。
- 前方車両との車間距離を感知して作動するレーダーブレーキシステム
- 急ブレーキをかけてもタイヤがロックしないABSブレーキシステム
- 滑りやすい路面でのタイヤの空転を防ぐTRC(トラクションコントロール)
後者は万一、車両事故が起きたときに被害を最小限に抑える目的の安全装備のことで、次のようなものがあります。
- SRSエアバックやサイドドアビーム(ドアに内蔵された変形防止用鉄骨)
- プリテンショナー付シートベルト(衝撃によりシートベルトが強く締まる)
- 衝突安全ボディ(変形しやすいボディ構造により事故時の衝撃を吸収する)
人間関係もこれと同じように、そもそも「こじれさせないための方法」と、万が一「こじれたときの対処法」があります。
今回はこれらのうち、人間関係をそもそも「こじれさせないための方法」、つまり「アクティブセーフティ」についての説明をします。
個人のキャラクターを4つのタイプで分類
個人の習慣化した言動のパターンを指す概念に「ソーシャルスタイル」というものがあります。
これは、個人の言動パターンを「思考表現度」と「感情表現度」という2つの軸で「高い/低い」に分けることが基本の考え方です。
その結果4 つのエリアに分類されたものを「ソーシャルスタイル」と呼び、それぞれ次のような名前がついています。
- ドライバー(駆り立てる人)=高い思考表現度×低い感情表現度
- アナリティカル(論理的な人)=低い思考表現度×低い感情表現度
- エミアブル(友好的な人)=低い思考表現度×高い感情表現度
- エクスプレッシブ(表現的な人)=高い思考表現度×高い感情表現度
※「思考表現度」=考え・主張がどのくらい強いか、「感情表現度」=感情をどのくらい外に出しているかです。そして、これらはいずれも本人の申告ではなく「周りからどう見えるか」という判断基準になります。
ソーシャルスタイル同士の相性
簡単に基本をまとめると、次のとおりです。
- 一番相性が良いのは同じスタイル同士
- 次に良いのは「思考表現度」か「感情表現度」のどちらかが同じ同士
- 良くないのは対角線のスタイル同士
以下にそれぞれのソーシャルスタイルの特徴を記します。苦手な相手がどのタイプにあてはまるか、自分はどのタイプにあてはまるかを確認してみてください。きっと相手の攻略ポイントがみえてくるはずです。
参考:ソーシャルスタイル無料診断
4つのソーシャルタイプ別キャラ紹介
ここからは4つのタイプの特徴を述べていきます。攻略したい相手を想定しながら読み進めてください。
ドライバーの特徴
「単刀直入型」
- メリハリの効いた力強さがある話し方
- 話すペースが速く、間をとらない
- 話し言葉は固く短文で断定的
- 事実に基づいて話す
- 単刀直入
- 要点や結果だけ簡潔に伝える
- 経緯や理由の説明が乏しい
- 相手の目をしっかり見て話す
- イエス、ノーがはっきりしている
- とにかく決断が速い
- 行動自体のスピードが早い
- 大筋を掴んだらどんどん先に進める行動力
- 興味の中心は人間関係より仕事それ自体
アナリティカルの特徴
「冷静沈着型」
- ソフトで一定した声のトーンと速さ
- 話すペースはゆっくりで間を長めにとる
- 語尾は断言を避け、声も小さくなる
- 手順を踏んで話す(状況説明や理由が先にきて、結論が最後)
- 論理的で秩序だった話をする
- 詳細な情報提供を行うため、情報量が多く会話内容や資料などのボリュームも多い。
- 表情はあまり変化しない
- 視線を外すことが多い
- 冷静でフォーマルな言動傾向
- イエスかノーかという択一的な質問には即答しない
- 意思決定には十分な時間をかける(特に情報収集)
- 行動自体も慎重に行う
- スピードよりクオリティの高いものを求める
エミアブルの特徴
「和み重視型」
- ソフトな抑揚、適度な大きさの声で穏やかに話す
- ゆっくりペースで間をとりながら話す
- 語尾はソフトな「問いかけ調」が多い
- 前置きの言葉が多い
- 柔らかい言葉が多い
- 具体例、たとえ、エピソードが多い
- 皆の意見を取り入れ、配慮しながら話す
- 相手と会話のキャッチボールを行い
- あいづちを多用して傾聴、共感しながら話す
- 基本的に笑顔でいることが多い
- アイコンタクトをよくつかう
- 柔らかな身振り手振りがある
- 行動するときは周りに配慮しながら行う
- 縁の下の力持ちという言動傾向
- 自分の一存でイエス、ノーを断定しない
- 周りの意見を取り入れ時間をかけて意思決定する
- 皆を励まし、サポートすることが得意
- 信頼できる人間関係の中で和やかに物事を進める
- 仕事に取りかかる前に、まず人間関係を築く
- 1 対1の人間関係を大事にする
エクスプレッシブの特徴
「ノリが命型」
- メリハリの効いた大きい声で感情を込めて話す
- テンポよく、間をとらない(賑やか)
- 語尾は断言する
- 擬音語、擬態語、造語など独特な言葉を使う
- あまり敬語は使わずカジュアルに話す
- ユニークなたとえ話やエピソードが多い
- 思いつきで話題が飛躍することもある
- 表情は生き生きとし、変化に富んでいる
- しっかりと視線を合わせ、目でも主張する
- 話の内容に合わせ、身振り手振りも大いに活用
- 皆を巻き込みながらエネルギッシュに行動する
- イエス、ノーは忌憚なく表現する
- 直感で即断即決する
- ゴールに向けて周りを元気づけ、動機づけする
- チームの活気を高める
- まずは、強い人間関係を築くことを優先
以上、4つのソーシャルタイプの特徴を述べてきましたが、あなたとあなたの攻略したい人は4 つのタイプうちのどれに近いでしょうか?
ソーシャルスタイルの使い方
【ソーシャルスタイルの使い方】
- まず相手の言動をじっくりと観察し、ソーシャルスタイルの仮説を立てる。
- その仮説に基づいて、対応力を発揮してコミュニケーションをとってみる。
- もしそれがうまくいっているようなら、その仮説は検証されたといえる。相手のソーシャルスタイルに合わせた対応を心がけることでうまくいく。
- もし、うまくいっていないなら、別のスタイルの可能性を再度考える。(最初へ戻る)
自分と相手のスタイルが異なるとき、コミュニケーションギャップが生じます。自分のほうから少しだけ相手のスタイルに歩み寄ろうとすること。
これが人間関係における“対応力”となります。人間関係における「アクティブセーフティ」として覚えておいてください。
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あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。