「ネガティブ思考はよくない」という認識は何となく世間の共通認識としてあなたもお持ちではないかと思います。
でも実際には、連鎖するネガティブ思考を断ち切ることが容易ではないから多くの人は悩んでいるのです。
「プラス思考をしたほうが物事は上手くいく」ということが世間の自己啓発本・成功本にはたいてい書かれています。そのことに関しては、僕もまったく同じ意見です。
しかし実際問題、これまで長い間ネガティブ思考を続けてきた、そういう思考様式の癖を持つ人が、ある日を境に「パチン!」とスイッチを切り替えるように思考回路をプラス思考に切り替えるのはそれほど簡単なことではありません。
もしかすると、あなたも過去にそういった本を読んでみたけど、結局、ネガティブ思考をなかなか断ち切ることができなくて、そのせいで余計ネガティブになって悩んではいないでしょうか?
この記事では、そんなあなたに「高尚な屁理屈」ではない実践法をお伝えしていくつもりです。それは、ネガティブ思考の連鎖を断ち切りプラス思考を身につけるための実践型の方法です。
1.実践できなければただの情報
「ネガティブ思考はやめなさい」「ネガティブ思考は心にも体にも毒です」という意見はこれまでウンザリするほど目にしてきたでしょう。
それにも関わらず、「プラス思考をしなさい」というばかりでその“実践方法”を解説してある本がほとんどないのが現状です。あるいは逆に、「ポイントが多すぎてこんなの実践できない!」という場合もあるかもしれません。
一般的には書籍を読んで、書かれた内容を実践する人は1-2割、実践し続ける人は、さらにその中の1-2割だといわれています。逆に言えば、8-9割の読者が実践すらしないということになります。
これでは「プラス思考が大切だ」と知っても、実生活では役に立たないことのほうが多いのではないでしょうか。情報は「知識」として持っているだけでは役に立ちません。それは、頭に入っているだけの「情報」「能書き」の域を出ません。
知識は実践・体験を通じて実感を伴う「知恵」へと昇華されます。ここに至って、初めて得た情報は自分の血肉となるのです。とにかく、実際にやってみることが大切だということですね。
2.ものの見方に関する大前提
実践法の前に、ものの見方に関する大前提を確認しておきましょう。それは次のことです。
「目の前の事実は1つでも、その解釈は1つではない」
たとえば、ピラミッドは真上から見ると四角形ですが、真横から見ると三角形で、斜めから見ると三角錐です。コップは真横からみると長方形ですが、真上から見ると円だったりします。
僕たちの目の前の出来事も同じで、どの面をみるのかによって出来事に対する意味づけも、その後の展開も大きく変わってきます。
実際、人によって物事の解釈は異なり一通りではないのです。そんな状況の中、できれば物事をポジティブに捉えたほうが良いのは間違いありません。
改めていうまでもなく、ポジティブはポジティブの好スパイラルを生み、ネガティブはネガティブの負の連鎖を生むからです。
しかし人間は放っておくと、「自動思考」という働きによりネガティブなことを次々に連想してしまうものです。
それは「人間はネガティブ思考がデフォルトである」という太古の記憶がDNAに刻まれているからです。ネガティブでなければ人類は生き残ってこれなかったからです。
参考記事:「人間の脳はネガティブがデフォルトだから気にしなくてもいい」
しかし、目の前の状況を好転させ、より良く生きるためにはその思考を意識的に“自分の意思”でコントロールすることが必要になります。
3.ネガティブ思考を断ち切るコツ
まず、次のことをしっかりと覚えておいてください。「思考は思考で上書きできる」ということを。
あなたも経験的に実感していると思いますが、アイデアや思考は常に「積み重ね式」ではなく「上書き式」で出てきます。放っておくとネガティブに入る自動思考は止めることが困難でも、思考をそこで止めずに、もう1回転させてプラス思考で上書き保存する。
すなわち、「100回悪いことを思っても構わないから、最後の101回目は必ず良いことを思って終わる」ということです。
「絶対にネガティブなことを考えてはいけない」という訳ではなく、途中はむしろどうでもいいのです。人間だから、ネガティブなことも弱気なことも悪いことも考えます。というよりむしろ、それが普通の思考回路です。
だけど最後、思考を終えるときには必ず「良いこと」を考えて終わる。ただ、これだけです。どうですか?これならできそうな気がしませんか?
4.引き寄せたくない状況は想像すらしない
そして、一旦良いスパイラルに入ったらそれを止めないことです。「どうせ長続きしないし…」などと否定的な思考をしない。
次の不幸を想定して、今の幸せに浸らないようにすることで「+」から「-」への落差を小さくし、落ちたときのショックを和らげようとする。そんな「不幸の準備体操」「自己防衛」は全くの逆効果です。
「思考は現実化する」の言葉通り、想像したその悪いイメージが高い確率で現実化してしまうのです。迷信でも何でもなく、想像は創造を生みます。
途中で「悪いこと」を思ってしまうのは人間だから仕方がない。でも必ず最後は「良いこと」を思って終わる癖をつけて下さい。それだけで、ネガティブ思考を続けるほうが難しくなってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ネガティブ思考脱却のためにやることは極めてシンプルです。そもそも、方法論なんてシンプルでなければ続けられません。再度、簡単に要点をまとめておきます。
- 目の前の事実は1つでも、その解釈は1つではない
- ネガティブ思考はプラス思考で上書き保存する
- 「不幸の準備体操」をしない
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あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。