「お前は何でこんなことがまともにできないんだ?!」
些細な仕事上のミスを指摘され上司にクドクドいびられる。
「お前のせいで目標に届かなかったんだぞ!」
と同僚の目の前で自分のノルマ不達を見せしめのように叱責される。
そういう目に遭ったときに、この世の終わりくらいヘコんでしまう、いわゆる「打たれ弱い人」と、ほとんど応えない「タフな人」の2タイプに分かれます。
後者はタフというのか「鈍感力」があるといえば良いのか。とにかく、ストレス社会を生きやすい人ということは言えます。
もしかすると、これを読んでくれているあなたは前者のタイプなのかもしれません。
この記事では少々のことではヘコまない方法を伝授します。
1.打たれ弱い人が上司の叱責で壊れないための大原則
最初に結論をお伝えしましょう。
次の一文は繰り返し読んで、脳にインストールしてください。
「自分の名前のまま仕事をするからしんどい」のです。
上司や顧客に叱責された時に、叱責を自分の名前で真正面から受け止めてしまうから、自分自身の存在や全人格を否定されたような気分になり、受けるダメージも大きくなるのです。
「営業」「ショップ店員」「看護師」「運転手」といった役割の中で受け止めて完結させれば、人格全体までその影響が波及することはありません。
仕事というものは、その職種の役割を演じるということです。あなたには、それ以外にも「父親」「妻」「彼氏」といった大切な役割があるはずです。
1日24時間ずっとその役割だけをしている訳ではないでしょう。今受けている叱責は「営業」という役割に対してだけのもの。
上司や顧客も今あなたが担っている役割に対して「できていないこと」を指摘したのに過ぎないのです。
たとえば私なら「営業マン」という役を演じているという意識で会社での仕事をすればいいということです。
そうすると、何事もその「役」の中で受け止められるのです。全人格を否定されたと感じなくて済みます。
いつのときも、このことを忘れてはいけません。
2.役割を演じるプロフェッショナル
俳優や女優がドラマや映画の演技中に怒鳴りつけられたりボロクソに罵られてその度にいちいちズドンとヘコんでいたら、仕事にはなりません。でも彼らはその「役」を演じているからそうはなりません。
自分の名前でやっていないからへコむことはないでしょう。
台本通りの役を演じる役者
たとえば先日、13年ぶりに月9に戻ってきたドラマ「HERO」が月9として歴代8位の初回視聴率26%超えだったそうです。
主役が検事という堅そうな職業の割にはラフで型破りなスタイルで仕事ができるのは、それが「久利生公平」という役の設定だからです。
彼がどんなときにも他人と違う前向きな思考をするのも、そういう「役の設定」だからです。
もし木村拓哉さんが実際にアイドルではなく検事を職業にしていたらダウンジャケットではなくスーツを着たごく普通のイケメン検事だったかもしれないのです。
ディズニーランドのキャスト
ディズニーランドのスタッフは「キャスト」と呼ばれています。
キャストは掃除をしたり、お客さんのリクエストに応えたりと満面の笑顔で最高のホピタリティを提供します。
自分は「夢の国を演出するメンバーの一員である」という意識が、困難な状況でも最高の笑顔で対応できる理由でしょう。
キャストの中には前日に失恋したり、家庭内のゴタゴタを抱えた人もいるかもしれません。
無理難題を要求してくる理不尽なゲストのカップルに対して「うるせえなこのクソ野郎!!二度と来んなよテメェ!」とミニーの耳をつけてブチ切れたとしたらビックリしますね。
でも、そういうことは聞いたことがありません。きっとキャストもディズニーランドに一歩足を踏み入れた瞬間、ステージに上がった「役者」のスイッチが入るのでしょう。
さいごに
繰り返しになりますが、私たちは一人一役だけをこなしているワケではありません。
職場では「先輩」「後輩」「上司」「部下」
顧客に対しては「担当者」「店員」「医者」「教師」
家庭では「夫」「妻」「親」「兄」「姉」「子」など。
人によってはたくさんの役割を兼務していることでしょう。
ですが、Aという役割内での事はBという役割には関係なく、もちろんCという役割にも関係ないのです。
仕事のイライラを家庭に持ち込む、あるいはその逆で家庭のゴタゴタを仕事に引きずる人が時々います。
これでは本来Aの問題だけだったものによって、BもCもぶち壊してしまい結局、自分も周囲も気分が悪い思いをするだけです。
「それはそれ。これはこれ。」
これもストレスフリーの合言葉としてお伝えしておきます。
この世界はAll or Nothingではないのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。