「病的賭博」といい、多重債務に陥って発覚するケースがほとんどです。 その最大の特徴は、悲劇を招く“依存性”にあります。 ストレス解消・暇つぶしなどの軽いノリで始めることが多いのですが、節度を越えてハマりやすいのがギャンブルの怖いところです。 たとえば、パチンコ依存症の人は全国で200万人ともいわれています。 財産・家族・友人を失い、借金が膨らみ自殺する人もいます。実際に、私の通うホールにもサイレンを消した救急車が何度か来ていました。 もはやストレス発散どころではありません この記事では、パチンコにハマった私自身の失敗談をベースに、ギャンブルが原因で命を落とした知人の話、なぜハマりやすいのか?といったことまでを綴ります。
パチンコ依存の体験から
今でこそ、ランニングが一番のストレス発散法の私ですが、3年ほど前までは、パチンコが唯一のストレス発散法でした。 煙が充満した空気の悪い空間でリーチのたびに隣の人に覗き込まれイライラしながら大当たりをじーっと待つ、アレです。 当時の私は割と大きな会社で営業担当として勤めていたので、毎月課される大きなノルマやクレーム対応で途切れることのないストレスを抱えていました。 しかし、私は外回りなので日中でもパチンコが打てました。ストレス発散はいつでもできる環境だったのです。それに加えて、帰宅前にホールに寄って1~2時間ほど打つ。 ストレスがたまると、習慣的にそんなことをしていました。お金がもつワケない!
パチンコを打たない方は分からないかもしれませんが、パチンコというのは予想以上にお金がかかります。 皆、ストレス解消と小遣い稼ぎを兼ねて打つわけですが、そもそもの軍資金・タネ銭がものすごくかかります。 何も当たりがこない状態だと30分で1万円飛んでいきます。その状態が2時間続くと、4万円が飛んでいくことになります。これってなかなか激しくないですか? もちろん、負けた帰り道は後悔や自己嫌悪の感情を伴ってストレスはとてつもなく増幅されています。 私の場合、ストレス発散料は年間約100万円でした。それを5年間。 1ヶ月に7~8万円×12か月=年間96万円×5年=約500万円。 ストレス解消っていうのは、こんなにお金がかかるものなんでしょうか??ギャンブルを心理学で検証
ギャンブルはお金をつぎ込んだ分、当たりが増えるわけではありません。ここに「部分強化」という強い心理効果が働くことが依存の原因です。 これは「何かの行為をしたときに見返りが時折あること」を指します。 その反対に「必ず見返りがあること」を「全強化」と呼びます。 必ず見返りのある全強化のほうが良いように思えますが、人の心は不思議なもので、全強化に対しては興味が薄れるという傾向があります。 たまに思いがけない見返りがある「部分強化」は当たった時の快感が大きく、そのときの喜びが忘れられずに、まるで麻薬のように依存していくのです。 とくに「自分の予想が当たった」と快感が得られるもの、自己効力感を感じられるものに、人はより強く引き付けられる傾向があります。 さらに「部分強化」の中でも、見返りの額が変動するものを「不定率強化」と呼びます。 たまに大勝ちが出るパチンコや競馬などがこれで、人間が最もハマりやすいパターンだといわれています。 いわゆる「レジャー産業」と呼ばれる業界はこの依存性を承知の上でリピーターを囲い込んで安定的に運営されているのです。 パチンコで買ったお金の使い道、第1位は何だと思いますか? 焼肉でも寿司でも服でも飲み代でもなく、パチンコ代なのです。 怖いでしょう?…ホール側はそれも分かっているのです。- 負けると「負け分を取り返そう」としてハマる
- 勝つと「もっと勝ちたい」と欲ばってハマる
ダブルバインド【double bind】〔二重拘束の意〕 同時に相矛盾する二つの次元のメッセージを受け取った者が その矛盾を指摘することができず、しかも応答しなければならないような状態。アメリカの人類学者ベートソンが提唱。 出典:三省堂「転勤するか会社を辞めるか」という会社の命令などはそれです。
- 転勤を選ぶと今の部署にはいられなくなる
- 辞めるともちろん今の部署にはいられない