普段の買い物でも、仕事上の意思決定でもモノがなかなか決められないという人がいます。なぜスパッと決められないのでしょうか。
自由に選べる環境になり過ぎた
理由をひとことで言えば“選択肢が多すぎる”ということ。その背景には、環境の影響もあると考えています。
近年のネット環境の整備・デバイスの普及によりこれまでなら目に触れなかった情報にも簡単にアクセスできるようになりました。その結果、買物ひとつとっても一昔前と比べると圧倒的に選択肢が広がりました。
決められる人には楽しい環境
- より自分の嗜好にフィットするモノを選べる機会が増えた。
- 持ち物が他人とカブりにくく個性が出しやすい。
- 商品を選ぶこと自体が楽しい。
これらは選択肢が広がることによりもたらされた、「スパッと決められる人」にとってのメリットです。
これらが「決められない人」にとっても同様にメリットになり得るのかどうかは疑問です。僕も、つい最近までなかなか決断できない人間でした。
インターネットでの買い物
たとえば家電を買う場合に、人気ランキングやレビューを参考にしたり、その商品の最安値を調べたりということは皆さんもよくしていることでしょう。
- 人気ランキング
- 実際に購入した人のレビューや評価点
- その商品の最安値
リアルタイムで変動するこれらの情報をチェックしながらどの商品をどこの店で買うのかを決定しているわけです。
選択肢が多すぎる
僕も先日、使っていたヒゲ剃りが壊れたので買い替えのため価格比較サイトを訪問しました。
僕はヒゲ剃りに関してこだわりも知識もないのでとりあえず「シェーバー」で検索してみたところ、739件がヒットしました。シェーバーで739件。
この中から自分に合うものを選ぶのはひと苦労です。それも、なるべく時間をかけずに。
とにかく“選択肢が多すぎる”のです。すぐに決められないのも無理はないでしょう。
最後はどうでもよくなる
僕の場合は、気になった商品を比較リストに入れてあれこれ検討しているうちにワケが分からなくなってしまい、最終的にどうでも良くなることが多々あります。
そうして結局、人気ランキング上位の適当なものをクリックしてしまいます。自分で選択することを放棄してしまっているのです。
安いものであれば大した影響はなくても、めったに買わない高価なものをこんな決め方で買っていたら、もう大変です。
迷う機会が増えた分だけエネルギーが要る
選択肢が増えたことで、選択する回数が増えた。つまり、迷う場面が増えたということです。何かを決定することにはエネルギーが要ります。
だから結論を出す前に考えることに疲れてしまう。面倒くさくなって考えることをやめてしまう。
その結果、「人気ランキング」といった世間の価値観に流されてしまう。これは非常にもったいないことです。
選択肢を減らす
そこで僕が実践した方法は「選択肢を減らす」ということ。もっといえば、すべての選択を「2択」で考えることにしたのです。
カジノでおなじみの「ルーレット」をイメージすると分かりやすいかもしれません。3択やそれ以上の選択肢もありますが、イメージとしてはあれが最適です。
- 赤か黒か
- 偶数か奇数か
- 1~18か19~36か
- 1~12か13~24か25~36か
- 右,中,左の3列うちどの列か
普段から即断の練習をする
たとえば昼食をどうするか迷ったら
- 昼メシを食べるか、食べないか?→食べる
- 買ってくるか、食べに出るか?→食べに出る
- 一人で行くか、誰かと行くか?→後輩と行く
- 軽めにするか、ガッツリ系か?→ガッツリ系
- 麺かライスか?→麺
- ラーメンかパスタか?→ラーメン
- とんこつ系か魚介系か?
- 天〇一品のこってりラーメン大盛り!!
という具合のフローです。こう考えるようになって、僕の決断は加速しました。
情報の選択肢も多すぎる
また、商品ばかりではなく“情報”もあふれ返っています。
これについても同様で、やはり意識して「選択肢を減らす」ことが有効です。こちらから積極的に探さなくても、たまたま目にしたバナー広告やツイッターやフェイスブックなどのSNSで拡散された情報だったり。
情報の方からバンバンこちらの間合いに飛んできます。
いかに多くを捨てるか
それにいちいち反応していたら、自分の軸がブレまくりです。ライフハック系やまとめ系のサイトが人気なのも「すでに誰かがまとめてあるものから探せば安心」という心理の表れかもしれませんね。
「どれだけ多くの情報を集めるか」ではなく「どれだけ捨てられるか」というのが求められる能力だと思います。不特定多数に向けた玉石混交の情報が飛び交っている今、特にそう感じます。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。