自分が発した言葉は耳から入り、脳にインストールされます。言葉には良くも悪くも“力”があるので、使う言葉には気をつける必要があります。
あなたは無意識にストレスを生む言葉を自分で使っていませんか?普段の生活を思い出しながら、次の6つの言葉を確認してみてください。では、始めましょう。
1.「いつも」
この言葉を聞くと人間の脳は疑問を抱くことなくその思い込みを受け入れてしまいます。しかしそれは、例外のない「普遍的な法則」でしょうか?
「先輩はいつも自分に嫌味ばかり言う」
「自分はいつも失敗ばかりする」
「あいつはいつもオレに反対ばかりする」
「たまの休みの日に限っていつも雨が降る」
先輩はあなたに対して嫌味しか言ったことはないのですか?
あなたは今までただの一度も成功したことがないのですか?
あいつがあなたに賛成したことは本当に一度もないのです?
休みの日に晴れたことは今まで一度もなかったのですか?
2.「みんなが」
この言葉を聞くと人間の脳は主体性を放棄してしまいます。「どうすることもできない」と思い込みあきらめの感情を抱きます。しかし「みんな」は本当に「全員」なのでしょうか?
「みんなが私をバカにする」
「みんな真面目にやらずに喫茶店でサボっている」
「職場の同僚はみんな休み返上で働いてる」
「みんな言ってることがめちゃくちゃだ」
あなたのことをバカにしていないひとは1人もいませんか?
サボらず真面目に頑張っているひとは1人もいませんか?
休んでいるひとは1人もいませんか?
マトモなことを言っているひとは1人もいませんか?
3.「絶対〇〇ない」
この言葉を聞くと人間の脳はそれを「絶対的真実」のように思い込みます。しかし現実にそうなのでしょうか?
「自分は絶対にプレゼンがうまくできない」
「うちのチームは絶対にあのチームには敵わない」
「あいつはどうせ絶対に途中で投げ出すに決まってる」
「彼女を食事に誘っても絶対に断られるに決まってる」
そうじゃなかったことは本当に一度もないのですか?
4.「できない」
この言葉を聞くと人間の脳は「できる方法」を探さなくなります。
「資格試験の勉強なんてとてもできない」
「出勤前にランニングなんてできない」
「有給休暇をとるなんて絶対にできない」
「こんな時代に年収アップなんてできない」
困難な状況に直面しても「できない」と言わないことは大切です。そうすれば脳は「足りないもの」と「解決方法」を探し始めます。
5.「しなければならない」
この言葉を聞くと人間の脳は自らを「被害者」だと捉えます。自分に主体性がなく、強制されている状態だと思い込み「無効力感」に陥ります。
「今日も残業しなければならない」
「ジムに行かなければならない」
「あの本も読んでおかなければならない」
「明日も会社に行かなければならない」
万が一、それをしなかったら何が起こりますか?明日もし、あなたが会社に行かなかったら?同僚があなたの代わりにやってくれるだけです。
「さて今日も残業しますか!」
「ジムに行くか!」
「あの本を読むか!」
「明日も会社に行くとするか!」
こんなふうに主体的な言葉を使いましょう。あなたの行動はあなたが選択できるのですから。
6.「してはいけない」
この言葉も同じく、脳に被害者意識を呼び起こします。行動を制限することで、主体性を失わせます。
「一度始めたことは途中で投げ出してはいけない」
「夜中にスナック菓子を食べてはいけない」
「給料日にパチンコ屋に寄ってはいけない」
「男は簡単に負けを認めてはいけない」
あなたの行動を選択するのはあなたです。そして、あなたの人生はあなた自身のものです。言葉によるストレスの犠牲にはならないでください。
まとめ
以上、気をつけるべき6つの言葉について書いてきました。
いかがだったでしょうか?
1つの例をまるで全体のようにとらえることを「一般化」といいます。そ
して上に挙げた6つの言葉はこの「一般化」の中でも特に「全称限定詞」とか「必然性・可能性のモダルオペレーター」「前提」と呼ばれているものです。が、そんな専門用語はどうでもいいです。
とにかく、普段何気なく使っている言葉が話し手と聞き手両方の思考の幅を制限してしまっているということが実際によくあります。
そんなことで考え方が狭められるのは勿体ないですよね。本来、人間の思考はもっと自由なもののはずです。
まずはあなたから、つかう言葉を変えていってください。そして好ましい変化があったなら、今度はその変化をあなたの親しい人にもシェアしてあげてください。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。