情報過多の現代では、カンタンな検索で手に入る情報があまりに多すぎて、逆に「何を信じればいいのかわからない」といったストレスが生じることがあります。
情報弱者という存在
情報弱者、略して「情弱」という言葉がネットで軽蔑的に使われています。
その最たる例として、よくあるアフィリエイト塾だのネットビジネスコンサルだのといったネット上にあふれ返る玉石混交の情報に翻弄された情報弱者は格好のカモにされます。
そして、自己防衛の術を身につけない限り今後も搾取され続けることになります。
皆がSNSに竿を出す
ツイッターやFacebookなどのSNSは「情弱の釣り堀」とさえいわれています。
もちろんそれらの情報の発信源がすべて詐欺師だと言っているわけではありません。信念と責任を持って、活動している方もおられることでしょう。
しかしそれと同時に、一定数の詐欺情報もそこには存在していると言っているのです。これは、かつて自分自身が情弱であったために被害にあった体験から言っています。
無知は罪
「知らなかった」「まさか嘘だとは」では済まされなくなってきています。投資・ギャンブル・アフィリエイト・転売などのお金儲け系や出会い系など毎日のように一方的に送りつけられるスパムメールについてもそうです。
「クリックだけで月40万円稼げます」という煽り文句に誘われて入会した輩が、片手間に小遣い稼ぎの手段として大量のスパムメールを送信している事実を知らなければいけません。
こんな時代だからこそ「自分で自分を守る」という意識が必要なのです。仮に、あなたがこうした詐欺の被害にあったとしたら、その半分は自己責任なのです。
だまされるほうも悪い
契約社会のアメリカでは、取引上の道徳的な問題はそれほど重要視されないそうです。あくまで契約内容が優先されるため、契約後に不合理な事実が判明してもそれは自己責任。
厳しいようですが、すでに日本も「知らなかった」では済まされなくなってきています。
脱・情報弱者の5箇条
情報弱者にならないためには「知ること」が大切です。ネット上の怪しい情報だけでなく、巷に氾濫する膨大な情報に流されてはいけません。
自分独自の判断基準を持つためにはどうすればよいのか?以下に5つの項目をあげていきます。
1.知識のインプット
ここでいうインプットの対象は情報の判断材料となる“知識”です。
インターネットで気軽に情報が手に入る時代に「本を読むこと」の意義はここにあるといえます。お気づきのようにインターネットと書籍では扱う情報の“質”が違います。
ネット上の情報であれば、何の権威性のない一般人でも自由に発信することができます。また発信者の匿名性という性質上、情報の信頼性が書籍よりも格段に低いのです。
そして情報が断片的なので、特定の分野について体系的な知識を得たい場合には向いていません。やはり、バックボーンとなる知識を得るなら「本から」ということです。
ある分野の知識を得たいと思ったら、同じ分野の本を3冊くらいは読んだほうが良いです。同じ分野の本を何冊も読むことは一見ムダに思えるかもしれませんが、その理由は2つあります。
1つめの理由は、1冊だけだとその著者の考え方しか入ってこないからです。考えの偏りを防ぐためにも、3人くらいの著者の本を読んだほうが良いのです。
2つめの理由は、3冊のなかで内容が重複した部分が出てくるはずだからです。その重複した部分こそがその分野における「共通認識」であり「本質」なのです。
2.高速処理の手法を得る
情報過多の現代では、受け取る情報が多すぎて処理が間に合わない、「知識のアップデートが追いつかない」という状況に陥ることがしばしばあります。
そうなると社会と自分の間にギャップが生じた状態になり、それが慢性化すると世の中の流れに取り残されてしまうことにもなります。
また、1で述べた大量インプットを通じても膨大な量の知識が入ってくることになります。これに対処するためには情報処理能力の高速化が必要になります。
そのための手段を何か1つだけあげるなら“速読”が有効だと思います。
1冊10分以内という神レベルになりたいのでなければ、何も教室に通う必要はありません。僕自身はというと2000字/分程度で、特別速くもないです。
200Pの本を1冊読むのに1時間ほどですが、実用にはこれで必要十分です。
速読・多読を勧める書籍も山ほどあり、著者により方法論が少しずつ違うのでそれらについても3冊くらい読んだほうが良いと思います。
僕が読んだ「読書法」に関する5-6冊の書籍の中で重複していた部分(本質と思われる部分)を参考までにいくつかご紹介しておきます。
- 本は1冊全部読もうとしない
- 1ページ目から順に読まない
- 「その本を読む目的」をハッキリさせておく
- 「まえがき」「あとがき」「目次」を最初に読む
- 本は何冊かを併読する
- いろんな所に本を置いておく
- 時間制限を設けて読む
こういった読書の方法についての本も読んでみると新たな気づきがあり面白いです。
3.取捨選択能力を磨く
僕たちは情報に対して取るべき態度を間違えやすいのですが、情報は「いかに多く集めるか」より「いかに捨てるか」の方が大切なのです。
放っておいても情報の方から飛び込んでくる時代です。いちいち全部相手にしていたらそれだけで日が暮れてしまいます。必要のない情報にまで振り回されてしまうのです。
情報弱者にならないためには、取捨選択がとても大切な能力です。
「いかに多くの情報をかき集められるかではなく、いかに不要なものを切り捨てられるかのほうが必要な能力である」。このことを肝に銘じておいてください。
4.思考停止に陥らない
取捨選択がうまくできず情報に振り回され続けると、人間は思考停止状態に陥ります。また仕入れた情報を疑いもせず、そのまま自分の脳にコピペする人もいます。
それは自分の頭でものを考える権利を放棄してしまっている人です。
情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、まず自分のフィルターを通すことが重要です。
情報自体はあくまでも判断材料です。それが唯一無二の絶対的な答えではありません。それらの判断材料を自分の頭に放り込んで練り上げ“自分の意見”を醸成するのです。
5.メリット・デメリットの数で判断する
僕の考える最もシンプルな意思決定のしかたはこれです。たとえば今、A案とB案の2つの選択肢があるとすると
- A案のメリットとデメリットを比べる
- メリット>デメリットならA案は残る
- B案のメリットとデメリットを比べる
- メリット>デメリットならB案も残る
- A案とB案のメリットどうしを比べる
- A案のメリット>B案のメリットならA案が採用
このように、基準をなるべくシンプルにすると良いと思います。“自分の思考と行動”を自分で選ぶ権利を放棄してはいけません。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。