自殺者のデータにみる感情コントロールの重要性について

生活

「精神的にボロボロでもうどうにかなってしまいそうだ」。

そこに至るまでは実感が湧かないかもしれませんが 、自分の感情をコントロールする能力は文字通り死活問題なのです。

これまでの記事ではあまり触れていなかった部分ですが、 今回はそのあたりの話をしてみようと思います。

年間の自殺者数

枯れ草

1997年までは毎年2万人台前半で推移していましたが 、金融機関の破綻が相次いだ後の1998年に急増しました。同年に前年比35.2%増の31755人となり、初めて3万人を突破。

その後、2012年に前年比9.1%減の27858人となるまでの 14年間連続して毎年3万人以上の自殺者が出ました。年間3万人ということは単純計算で毎日82人が自殺しているということになります。

経済の好転を受け、2012年までの3年間は連続して減少傾向。 全体の自殺者数が減少してひとまず安心したわけですが、2012年のデータからは新たな事実が浮彫りになりました。

それは、全体の自殺者数は減少傾向にある一方、15年前と比べて20~40代の自殺率は依然として高い水準にあるということ。

この年代の人にとって、生きづらい環境は改善されてないどころか、悪化傾向にあるということです。

労災認定件数

パニックに陥る男性

20~40代に共通するキーワードを考えたとき「仕事」や「職場」という共通項が見えてきます。

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、2002年からデータをとっています。

その厚生労働省の発表によると、2012年には精神障害の労災認定件数が475件(前年度比150件増)と過去最多を記録したそうです。

これはあくまで認定件数であり、実際の請求件数のほんの一部です。さらには、請求されていない潜在的な件数はもはや計り知れないでしょう。

自殺の背景にあるもの

ヤケ酒で酔いつぶれた男性

内閣府によると、自殺の原因・動機で多いものは次のとおりです。

1位:健康問題
2位:経済・生活問題
3位:家庭問題
4位:勤務問題

1位の健康問題のなかでも、毎年最も多いのはうつ病だそうです。

内閣府の『自殺対策白書』によれば自殺企図者のうち75%が精神障害を有しており、そのうち46%がうつ病、26%が統合失調症、18%がアルコール・薬物依存症であると推測されています。

うつ病患者

厚生労働省の統計によると、うつ病などの気分障害の患者数が大幅に増加しているといいます。その数は、2008年には100万人を超えたと推計されています。

しかし実際には医療機関にかからない人のほうが多い病気のため、潜在的な総患者数は計り知れません。

うつ病は精神医学の領域では「気分障害」という分類に入り、自分の気分や感情をコントロールする能力に障害をきたしている状態をさします。

「感情コントロール能力に支障をきたす」。文章にすると実に無味乾燥ですが、 実際の症状は無力感・自責の念その他もろもろ、患者本人にしかわからない辛さや苦悩があります。

一番辛いことは「しんどさ」が目に見えたり、数値で測れるものではないので分かってもらえないこと。下手をすると、単なるサボりや仮病に思われること。

その辛さは、過去に僕も経験したことがあります。 絶対に自分の家族や仲間にはあんな思いをさせたくはありません。

現代社会とうつ病

地下鉄の乗換え

ひと昔前に比べると、うつ病になる人や自殺をする人が増えていることから、現代は多くの人が感情のコントロールに悩んでいると考えられます。

自殺者が増えている一つの原因として、世の中全体が「うつ病を悪化させやすい社会」になりつつあるのではないかと考えられます。

今のビジネス社会のように、ただでさえ不安が強い中で、ものごとを悲観的にしかとらえられなくなるうつ病になると先が真っ暗に見えて絶望的な気持ちになります。僕にはそれが負のスパイラルを生み出している気がしてなりません。

間違いなく、昔よりも今のほうがうつ病になったときに不安感が増幅しやすいような社会になっています。それが自殺者の増加につながったのではないでしょうか。

自分で自分を守る力を

Facebook

現在はインターネットが発達し、SNSが普及したことで気軽に見知らぬ誰かともつながれる社会になりました。

その反面で、個人主義の風潮が強く、会社も自分を守ってくれない時代です。

周囲の人も会社も悪気があるわけではなく、みんな余裕が無いのです。スピードの中で自分の生活や仕事に追われていて他人のことを気にかけ面倒を見ている余裕が無いのです。だから苦しくても、自分に降りかかった問題は自分の力で解決していかざるを得ないのです。

このような時代背景もあって 、僕は「感情コントロールの技術」を身につけることは すべての人にとって死活問題だと思うのです。今後もストレスフリーnavi.では、そのための情報を発信し続けていきます。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。