この世には人の数だけコンプレックスがあります。
コンプレックスというのは、劣等感や自己嫌悪をともなうような「自分自身の弱点」ともいえるようなものです。
外見・身体的な特徴・能力的な不足・環境の優劣など、コンプレックスの対象は人それぞれです。
ただ、本人にとっては極めて深刻なコンプレックスであっても、他人からは案外そう見えていないことが多いのも事実です。
人が何かを成し遂げる原動力は2つしかありません。
それが「とことん好き」か、それが「コンプレックス」かのどちらかです。
この記事を読んで、自分を苦しめるそのコンプレックスを逆にあなたの加速装置に変えてもらえたらうれしいです。
人間の感じるストレスには2種類のものがある
コンプレックスに対処することがストレスを減らすことと、どう関係があるのかをはじめに確認しておきましょう。
人間が感じるストレスにはその発生形態から大きく分けて2種類のものがあります。
外因性ストレス
たとえば、環境、人間関係、他人の評価、物事の結果などがこれにあたり、自分自身のコントロールの及ばない要素がこれに含まれます。
内因性ストレス
これは時間軸によりさらに3つに分けられます。
- 過去に向けられた「後悔」
- 未来に向けられた「不安」
- 現在に向けられた「コンプレックス」
さらにコンプレックスは「劣等感」「自己嫌悪」と読み替えることができます。
今回は、人間に内因性ストレスをもたらす「コンプレックス」に対する意識を変えてストレスフリーに近づきたいと思います。
コンプレックスは人を悩ませる
人はそれぞれのコンプレックスを抱えて生きています。どんな美人にも、どんな大金持ちにもそれはあるそうです。
北川景子さんにも石原さとみさんにもビル・ゲイツ氏にも。コンプレックスがあるとは思えませんが…あるのです。
それは人の数だけ存在する多種多様なものだということ。
本人にとっては死にたいほど悩んでいることでも他の人からすれば「何でそんなことで悩んでるの?」というようなことも多々あります。
他人には理解されにくいものもあるでしょう。他人には知られたくないものもあるでしょう。
- 貧乏な家庭に生まれ育った生い立ち
- 運動が苦手でずっとスポーツを避けてきた
- 気が弱くてイジメられっ子だった過去がある
- 男らしくないガリガリに痩せた貧弱な体型
- 太っていることでバカにされてきた過去がある
- 勉強が苦手で低学歴で若くして社会に出たこと
- 口下手でいつも気まずい空気を作ってしまう
- 方向音痴が激しくデートや仕事でテンパる
- 男なのに家電の配線がさっぱりわからない
- 幼い頃から病弱で、大人になってからも病気がち
などなど。
そして、こうしたコンプレックスが個人のキャラクター形成に強く影響しています。
自分のコンプレックスをネタにできれば今よりもっと楽に生きられるのでしょうか。
でも、自尊心が傷つく自虐ネタを連発しながら生きていくのは芸人さんではない私たち一般人には難しいこともあります。
本当の意味でコンプレックスを笑い飛ばせるようになるのは、それを克服したときなのかもしれません。
コンプレックスは人を成長させる
なぜか、コンプレックスという言葉を使うとき「悩みの種」という負の側面ばかりがクローズアップされます。
しかし、そこには忘れてはならないもう一つの側面があるのです。
次のことを決して忘れないでいてください。
「コンプレックスはとてつもなく大きなエネルギーになる。コンプレックスのないヤツには大したことはできない」
そして、そのためのトリガーは「認めること」です。コンプレックスを隠し目を背けるのではなく肯定する。
さらにいえば、受け止めた上で「健全に開き直る」こと。そこから解き放たれる力は凄まじく大きいのです。
コンプレックスに打ち勝つ
「イジメられっ子」というコンプレックスを原動力にボクシングで世界の頂点に登りつめたのは、辰吉丈一郎さんそして内藤大助さん。
また、芸能界にも「イジメられっ子」というコンプレックスを持つ人はとても多く一例を挙げると、木村拓哉さん・二宮和也さん・小栗旬さん・水嶋ヒロさん岡田将生さん・松坂桃李さん・成宮寛貴さん。
和田アキ子さん・木の実ナナさん・中川翔子さん・矢部美穂さん秋元才加さん・指原莉乃さん・倖田來未さん、misonoさん。田村淳さん・なだぎ武さん・今田耕司さん・楽しんごさん。ダレノガレ明美さん・マリエさん・藤井リナさん・押切もえさん。
キリがないのでこの辺にしておきますが、まだまだこんなものではありません。
皆、「イジメられっ子」というコンプレックスからそれぞれの居場所で人気者に登りつめました。
「貧乏な生い立ち」というコンプレックスを原動力にしたのは、ダウンタウン松本人志さんをはじめ、お笑い芸人でいえば田村裕さん(麒麟)・中川家・黒田有さん(メッセンジャー)河本準一さん(次長課長)・後藤輝基さん(フットボールアワー)。
そして、城島茂さん(TOKIO)・女優の麻生久美子さん。皆、「貧乏」というコンプレックスからブレイクしました。
別の分野で才能を開花させる
「江戸の敵を長崎で討つ」ということわざがありますが、自分のコンプレックスとは別の分野で才能を開花させる人もいます。
「病弱な体」という大きなコンプレックスを原動力に実業界で大輪の花を咲かせたのは経営の神様・松下幸之助さん。
勉強の苦手な人が得意な野球でプロ選手になって活躍することもあるでしょう。スポーツが苦手な人が得意な勉強を頑張って東大に合格して政治家になることもあるでしょう。
なにも「コンプレックス」それ自体にしがみつくことだけが唯一の方法論ではありません。「自分の得意なところで勝つ」というのもいいでしょう。
いずれにせよ、コンプレックスはやる気の炎を胸にともすパワーを持っているのです。
コンプレックスのない人
万が一、何のコンプレックスも持たない人がいるとしたら、きっとその存在自体がよほど完璧に近い人なのでしょう。
でも多くの人は、完成されたものや完璧なものには近寄りがたいし魅力を感じないものです。
完璧ほどつまらないことはないと思いませんか?完璧な人にはそれ以上、向上の余地もないのですから。
コンプレックスのない人間には向上心もないのです。
向上心とは「今よりもっと良くなりたい」あるいは「もっと上を目指したい」と望む心のことだからです。
さいごに
あなたが自分のコンプレックスに対する意識が1mmでも変わったとしたら、この記事の目的は果たせたといえます。
コンプレックスは言い換えると「自分はこのままじゃいけない」と思うことから生まれる向上心のことです。
自分を完璧と思っている人など本当につまらない。
それとは逆に、相手が自己嫌悪をのぞかせたとき「ああ、この人とは腹を割ってつき合えそうだな」と思いうれしくなるものです。
人間なんてそんな珠玉のような完璧なものじゃなく、もっと凸凹したもののハズだと思うからです。
成し遂げる人間には何か理由があります。そこには強烈な“動機”があります。
そして最も強烈な動機は、コンプレックスにまつわる「恨み」や「復讐」といった感情だったりするのです。
だから、あなたも心に抱いているコンプレックスを否定しないでくださいね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。