技術習得の最短ルートは「守破離」の順序にしたがった実践

棒を持つ老人 仕事

4月から新しく社会にでる人や、異動で配属が変わる人も多いことでしょう。

新しい部署に異動になると職場環境はガラリと変わり、またイチから新しい知識を覚え直しなんてこともあります。

でも覚えることは多くても、少しでも早く新しい仕事に慣れて新環境でのポジションを確立したいものです。新しい環境で存在感を出すには「デキる人」を模倣することから始めましょう。

ちなみに、これは特に新しい環境に変わる人でなくても、ものごとを上達させたい場合には同様に使えるやり方です。

守破離という考え方

マーシャルアーツの練習シルエット

守破離(しゅはり)とは、もともとは日本の武道・芸術等における稽古を積む課程、つまり修行の順序を表す言葉とされています。

しかし、その本質は武道・芸道にとどまらず、スポーツでも仕事でも経営でも学問でも職人技でも料理でも何にでも通じます。

物事を上達させるには後述する「守・破・離」の3つの段階を経ることが正しいアプローチです。

最初から自己流で上達を目指す人もいますが、それは一部の天才を除き、結局一番遠回りになります。この「守・破・離」の各段階について述べていきます。

守破離の“守”

バックハンドで打ち返すテニス選手

武道でいえば、入門したての真っ白なときです。この段階では師の教えをとにかく忠実に守ります。

繰り返し何度も何度も教えられたとおりに真似をして基本となるその「型」を自分の体に染み込ませます。

これを無意識でもその型ができるレベルまでやります。一本の桜木にたとえるならここが“根”になる部分です。

営業マンならトップセールスのスタイルを完全コピーするくらいのつもりで徹底的にマネる段階です。テニスならコーチに教えられた通りのフォームを繰り返し黙々と練習する段階です。

守破離の“破”

テニスのサーブを打つ選手

教えられたことを守るだけでなく少し崩してみる段階です。師の教えがすべて100%自分に合うとは限りませんから自分に合わない部分に自分独自のアレンジを加えます。

あるいは師の教え以外の方法も学んで試してみる。

このようにして徐々に師の教えに自分独自の方法論を追加したり乗せ換えたりしていきます。一本の桜木ではここが“幹”になる部分でしょう。

根に支えられた幹からさらに枝分かれするイメージです。

営業マンでは模倣する対象を、テニスではコーチの教えを少しずつ自己流にアレンジしていく段階です。

守破離の“離”

サムライエアK
サムライエアKからの筆サイン

出典:日清食品 ニューヨークサムライ カップヌードル「SAMURAI K」錦織圭

師の教えから離れて自分独自のやり方に発展させる段階です。ここまでくると「自分のスタイル」が確立されます。

独自の世界・独自の技を作りオリジナリティを開花させていく段階です。一本の桜木では言うまでもなく“桜の花”になる部分です。

営業マンではモデリング対象を超えて別のスタイルを確立、テニスでいえばエアKを打てるようになっています。

「新しいことを最速で上達させたい」という人も「今していることがなかなか上達しない」という人はぜひ、この守破離の概念を意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。