イライラした状況で言葉を発する前に自問すべき賢者の3つの問い

頬杖をつく女性 セルフコントロール

日常生活はまるでTV番組の生放送のようなものです。いったん口から出た言葉は、取り返しがつきません。

何気なく口を突いたひと言が意図せずに相手を不快にさせそれが元で関係性を損なうことがあります。もちろん、相手を深く傷つけてしまうこともあるでしょう。

傷ついた相手のリアクションを見て、ハッと我に返り「言い過ぎた、ごめん」と謝ってもその言葉は残ります。「ああ、この人はそんなふうに思っていたんだ」と。

関係を維持できても、発言はなかったことにはなりません。言葉が刺さった傷跡はどうしても残るのです。その傷跡が消えるには長い時間がかかります。

だから、自分が疲れや焦り怒りで「心に余裕がない」と感じるときほど発言には気をつける必要があります。そこで口を開く前に、自問自答して欲しい「3つの問い」があります。

家庭内でイライラする状況

リビングダイニングたとえば、あなたが仕事で疲れ切って空腹で帰宅したときに「まだ夕食ができていない」という状況を考えてみます。奥さんは専業主婦なので、日中も家にいます。

この状況で、あなたならどういう言葉を発するでしょうか?

「どうした?調子でも悪いのか?」と言えるあなたは素敵です。でも、実際には「おい、メシまだできてないのか!」と声を荒げてしまう人のほうが多い気がします。

こういう場合には、まず次の3つの質問を自問自答してください。そして各々の質問に“Yes”と答えられた場合のみ、次の質問へ進んでみてください。

そして最後の第3の質問に対しても“Yes”と答えられた場合には、その言葉を発してもいいと考えます。

逆に、3つのうち1つでも“No”の場合はその言葉は口にしないということがルールになります。

第1の質問「その言葉は真実か」

リビングのテーブルの上の本「おい!お前は1日中家にいてヒマなくせに何やってんだよ!」「こっちは家族のために朝から晩まで必死で働いてるんだぞ!」

感情的になると、物事を1つの方向からしか捉えられなくなることがよくあります。それは一時の感情によって、歪められた評価ではないでしょうか?
「専業主婦=ヒマなもの」。

あなたのその言葉は本当に真実なのでしょうか?いえいえ、決してそんなことはありません。

朝5時に起きて、家族の弁当を作り、朝食を準備して家族を送り出す。

8時から洗濯して、布団を干して、掃除機をかけて、献立を考えて、10時半からスーパーへ食材の買い出しに行く。12時になって一人昨夜の残り物で昼食を済ませて、洗い物を片付ける。

14時に布団を叩いて取り込み、15時には洗濯物を取り込んでたたみ、16時に学校から帰った子供におやつを出し、宿題をさせて塾へ送る。17時、子供が塾に行ってる間に夕食の支度をしてまた塾へ迎えに行き、18時、「ゲームをし過ぎないように」と注意しながら風呂掃除をして19時、会社からあなたが帰宅してくる。

そんなに暇じゃないんですよ、専業主婦も。そして、(日)(祝)もなければ、サボる逃げ場も代わってくれる人もいない。僕は「外で働く自分の方がよほどヒマかも」と思うこともあります。

第2の質問「その言葉は今必要か」

会社に行きたくない男性「また例のママ友とフラフラ出歩いてて遅くなったんだろう?!」「くだらん付き合いせずに家のことだけやってりゃいいんだよ!!」「家のこともできないならカルチャースクールなんかやめちまえ!」。

もともと「夕飯ができていない」という一つのことが不満だったのに、潜在的に不満を感じていた他のことも連鎖的に表に出てきた状態です。

これらのことは、“今”問題になっていることではないですね。「今じゃなくてもいいことは今言わない」に限ります。それらは冷静になって気分がニュートラルな時に改めて話しましょう。

「自分の言動で高揚してどんどんキレる」ということがあります。これは、小さな種火にどんどん風を送り込んでいるような状況です。

大火事になる前に、少しでも早く送風を止める意志が必要です。その前に、自問自答することによってそもそも「風」を立てないという選択ができます。

第3の質問「自分が言われても平気な言葉か」

バカにされる男「お前なぁ、一体誰のおかげでメシが食えてると思ってるんだ?」「そんなに付き合いが大事なら、お前も働いて自分で稼いでみろよ」「お前のカルチャースクール代もランチ代も俺が稼いでるんだぞ?!」。

ここまでいくと、会社でたまった「ストレスのはけ口」か「八つ当たり」にとれます。

こういう言葉を口にする前に、冷静に自問自答してくださいね。一番大切な人の存在を全否定してしまわないためにも。

これを「自分が言われて平気」だといえる人も少ないと思いますが、言葉もここまで度を過ぎると、夫婦げんかに発展する可能性大です。

まとめ

123のロゴいかがだったでしょうか?

今回は夫婦間を例にしましたが、子供・部下・後輩に対しても同じです。とくに相手より自分の立場が優位と思える関係性では気をつけてください。

そして、特にイライラしていると自覚しているときには口を開く前にこれらの3つの問いを自問自答してください。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。