五月病という名の病気はなく、実際その正体は病気ではありません。
メンタルの病気はイメージによって作られている部分が大きいのです。
五月病の正体もまた、単なる「気分」あるいは「心理状態」です。
しかし、心療内科へ行けば「適応障害」という病名がもらえるでしょう。その理由も上の記事に書いてあります。
五月病という状態にあるときの特徴10項目
では、俗に「五月病」と呼ばれる心理状態はどんなものなのでしょうか。
それは次にあげる10の項目のうちのいずれか、あるいは全部を心に抱えた状態であると考えられます。
- 新しい環境や場所に馴染めない焦り
- 新しい人間関係が思うようにいかない不安
- 覚えることが多すぎてついていけない焦り
- 仕事の段取りがなかなか覚えられない焦り
- 自分はここにいて良いのかという不安
- 想像と現実のギャップに対する困惑
- 自分の立ち位置を確立できない不安
- これまでの自分に対する自信の喪失
- 自分の将来に対する閉塞感・悲壮感
- どこにいても気が安らぐことのない孤独感
いくつ当てはまりましたか?
もし、全部に当てはまるとしても大丈夫です。実際には、これらの対処法はすべて同じ1つのことなのです。
五月「病」というから怖くなる。実はそんな大したことじゃない
繰り返しになりますが結局のところ、五月病とはせいぜいこんな状態です。
- 新しい知識の整理がつかず散らかってるだけ
- 新しい仕事の段取りがまだ身についていないだけ
- 新しい人間関係にまだ馴染めていないだけ
- 自分の人生の目的がまだ見えていないだけ
よーく考えてください。ただそれだけのことなのです。そして、焦るあまりに次のことを忘れていないでしょうか。
- 成長スピードには個人差がある
- 他人と上手くやるコツを掴むには個人差がある
- 環境の変化に慣れるのにも個人差がある
こういったことには個人差があって当たり前です。
メディアに刷り込まれないように
この時期、環境への適応や知識の習得に人よりも時間がかかるというだけで、五月病だの適応障害だのと吹き込む報道に悪意すら感じます。
そもそも、「普通の基準」って何でしょう。
こんな風潮はどこかおかしいし、「自分は五月病じゃないだろうか」と不安になってる方にも冷静になって欲しいと思いながら書いています。
五月病への一般的な8つの対処法
五月病への対処法として、よくいわれているのは次のようなことです。
- 完璧主義をやめる
- 無用なプライドを捨てる
- 一人で悩まず他人に相談する
- 自分の時間を確保する
- 気分転換する
- 睡眠を十分にとる
- 規則正しい生活をする
- 食生活に気をつける
でも私なら、自分の身内や親友にこういうアドバイスはしません。
これら8項目のうち、実際に使えると思うのは上の2つだけだからです。
やらないよりはマシというレベルの6つの対処法
1人で悩まず他人に相談する
誰かにしゃべることでスッキリするという効果はたしかにあるでしょう。発散するためにそれを期待して、というのならアリです。
しかし、それでは根本的な問題の解決にはならないのではないでしょうか。そもそも、人は誰かに相談する時点では既に結論を出しているものです。あくまでも対症療法ということですね。
自分の時間を確保する、気分転換する
そもそも、こういうことが出来ないから悩んでいるはずなんですよ。これができれば五月病になりませんから。
睡眠を十分にとる、規則正しい生活をする、食生活に気をつける
健康的な暮らしは送れるでしょうが、五月病解消になるのかは疑問です。まるで小学生の夏休みの過ごし方の注意事項のようです。
五月病対策として有効な2つのこと
上記6つのことがほとんど実用的ではない一般論であるのに対し、以下の2つは、つらさを抱える今の状態にはとても大切な考え方であり、現状を脱するために有効な行動パターンです。
1.完璧主義をやめる
全てをキッチリこなそうとする「完璧主義」は仕事を任せる側は信頼でき、組織にとっては悪いことではないのですが、自分自身がしんどくなってしまいます。
完璧主義者はどれほど頑張っても、なかなか自分に対してOKを出せません。常に自己否定の連続であるため、どんどん自分が苦しくなるのです。
しかし実際の現場では、完璧で遅い仕事より、70点くらいで速い仕事の方が求められています。書類などはとりあえず仕上げて、あとでブラッシュアップすればいいのです。
- 完璧主義よりスピード主義
- 気を抜かず手を抜く
これなら、「手抜きだ」などと変な罪悪感を抱かなくて済みそうじゃないですか?
2.無用なプライドを捨てる
五月のこの時期、新しい環境や新しい仕事を体験する中で自分にできないことがいろいろ出てくることでしょう。
そんなとき「自分はこんなもんじゃない」「これぐらいやれるはずだ」と思っていた自分像と実際の自分とのギャップを思い知り、これまでの自己肯定感・自尊心がボロボロになることがあります。
脱皮できない蛇は死ぬしかない
しかし、「脱皮できない蛇は成長しないまま死ぬ」という言葉のとおり、人も成長するためには今までの小さいプライドから脱皮する必要があります。
もしあなたが「自分のプライドはもうズタボロだ」と感じているとしたら、それはあなたに脱皮のタイミングが来たということ。
ちょうど、クルマの乗り換えどきと同じようなものです。
アホになりきった新人から伸びていく
自分の成長を妨げるだけのくだらないプライドは、ゴミ箱に投げ捨てましょう。今のあなたには、これまでの小さなプライドはもう用済みなのですから。
「ちっぽけなプライドを投げ捨てる」ではわかりにくいので具体的にいうと、ここで一度「アホになりきれ」ということです。
どこの業界でも、小さなプライドを捨ててアホになりきれた新人から順に突き抜けていきます。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。