職場でも学校でも、組織や集団の中ではかならずといっていいほどリーダーや仲間から徹底的にバカにされたり、無視されたりする人が1人や2人はいるものです。
この記事では、そういう人たちに対してあなたがとるべき態度とはどのようなものかをメリットを添えて綴ります。
集団心理というものの存在
会社・学校はもとより、それがどのような組織・グループであれ、集団内では自分と他人との優劣の関係性が重要になってきます。
そして集団心理とは残酷なもので、そういった集団の中では能力や容姿のより劣った人がその集団における「スケープゴート」(生け贄・身代わり)にされてしまいます。
【スケープゴート】scapegoat:
不満や憎悪、責任を直接的原因となるもの及び人に向けるのではなく、
他の対象に転嫁することで、それらの解消や収拾を図るといった場合の
その不満、憎悪、責任を転嫁された対象を指す。出典:Wikipedia
スケープゴート
スケープゴートにされた人はその集団の「ストレスのはけ口」にされ、能力のなさをそしられ、いじめられることになります。
これは何も学校での「子供のいじめの話」だけをしている訳ではありません。いじめは、大人の世界でも普通にあり得ることなのです。
人は集団の中で自分を守るための術を身につけています。
1対1の人間関係では他者に対して優しく思いやりがある人でも集団の中では人間性が変わってしまう場合が少なくありません。
それは、集団内においては「自己防衛本能」が働くからです。
集団の中で集中砲火を浴びている人の肩を持ったりしようものなら自分もその人の仲間とみなされるかもしれませんから。
悲しいことですが、誰しも虐げられる側には回りたくないのです。
寄らば大樹の蔭
多数派に組みしたほうが、自分の立場が安全だということを人は本能的・経験的に知っています。
このような理由から、集団の中で誰も自分の味方をしてくれずスケープゴートにされた人はどんどん孤立を深めていきます。
いじめの標的に対してとるべき態度
この場合、あなたがとれる態度の選択肢は3つです。
- 多数派と同調していじめる
- 多数派に「いじめはやめろ」と注意する
- スケープゴートと普通に接する
このうち、最も現実的で賢明な態度は3です。
不本意なのに、多数派と同じようにいじめることは罪悪感に繋がります。「いじめるな」と正論を言ってもムダで、自分にとっても得策ではありません。
スケープゴートの救いになる
集団内の全員がいじめをする中で、あなただけでも普通に接していればそれだけでどれほど相手にとって気持ちの上で救いになることか。
そんな普通のことで、あなたに好印象を抱き感謝するでしょう。
余計な恨みを買うこともない
また、こんなメリットも考えられます。
集団内でバカにされ続けてきた人は心に恨みを募らせています。あまりに人をバカにしていると、ひどい報いを受けることになります。
その昔、散々バカにしてきた相手からひどい報いを受けるという漫画のような大逆転人生は実際によくあること。
もしも、その人が将来出世して自分の上司になったら?
もしも、その人が転職して自分の取引先企業に入ったら?
もしも、その人に強力な人脈・コネクションがあったら?
…その時はどうしますか?今度はいじめていた側の人間が、スケープゴートにされる番です。
そんな時でも、普通に接してきた自分だけは標的にされない可能性が高いでしょう。
また、虐げられる経験を通じて人間のズルさや汚さといった本性を知り尽くしている分、強力な味方になってくれるかもしれません。
さいごに
「集団内でバカにされ、虐げられている人に対しても普通に接する」ただそれだけで、いじめられている本人にとっては大きな救いになります。
あなたにとっても、それが建設的な選択肢ではないでしょうか。
“情けは人の為ならず”という言葉のとおりです。
この言葉の意味は誤解されることもあるのですが、あれは「情けをかけると、その人のためにならない」という意味ではなく「情けをかけることは、人ではなく自分のためになる」という意味です。
これも1つのwin-winの関係ではないでしょうか?
自分が得ようとすれば、まず相手に先に与えることです。
何を与えるか?それは心の拠りどころとしての変わらぬ態度です。
ただそれだけです。ただそれだけがとてもうれしいのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。