Amazonにいって1クリックするだけで、紙の本でもKindleでもほんの数秒で買えます。わざわざ書店に行かなくても本が買えるこの時代。
でも、本を買う機会も、買う量も増えたのに実際に読んでる量は増えていない。そんなことになってる人は意外に多いようなんです。
自分で欲しいと思って買った本が読めないのは何故でしょう。それには3つの理由があります。
1.買っただけで気が済んでしまった
本を探している時点ではまだワクワクしているのですが、手元に所有したことで気が済むということがあります。本に限らず他の商品でもそういうことがあると思います。
「いつでも読める」という安心感が先延ばしの原因になっています。でも忘れないでください。情報には鮮度があるということを。
手に入れたことで「読んだ気になる」というのもよくある錯覚です。友人のノートのコピーをとっただけで勉強した気になるのと同じです。
読まないから実践もしない。実践しないから結果も出ないのは当然のことです。
すると次にとるのは「また別の本を買う」という行動なのです。これが俗にノウハウコレクターと呼ばれる人達です。こういったタイプの人はずっとそれをやり続けます。
抜け出すには根本的な考え方を変えないといけません。
2.読むのが面倒になる
買ったのはいいけど読むのが面倒になったという場合です。これはさらに細かく3つのタイプに分けられます。
完璧主義がジャマをする
あなたは本を読むときに1ページ目から順番に読んでいませんか?たとえ後半にどんなに面白そうなことが書いてあったとしてもです。
正しいのは「好物のハンバーグから食べる」という発想。
面白そうだと思ったなら、いきなりそこから読めばいいのです。推理小説でもない限り、最後のページから読もうが何も問題ありません。
スイカを食べるとき、あなたはどこから食べますか?
きっと多くの人は真ん中から食べるのではないでしょうか。それでも最後には端っこまでキレイに食べていますね。読書もそれと同じことなのです。
細部にこだわるあまりに興味を失うのが最悪。
読書に関する有名なたとえ話にこんなものがあります。
「本を1ページ目から読もうとすることは、2000ピースのジグゾーパズルを作るときに大量のピースの中からまず最初に左下角の1ピースを探しだそうとするのに似ている。」
もっとも避けるべきなのは「興味を失う」という状況です。
そうならないためにも、本を買ったらガンガン気の向くところから読んでいきましょう。
また「本は丁寧に読まなければならない」と考える人も多いようです。
実用書、スキルアップのための読書であれば大意がつかめればそれでいいのです。「一字一句逃さずに丁寧に読む」という読み方は必要ありませんし、むしろナンセンスです。
いきなり微に入り細に入るような読み方をしていると全体の意味をつかむことが難しくなります。そうなると読書の目的自体が本末転倒になってしまいます。
一字一句、単語を積み上げていくような読み方はビジネス書ではNGです。まずはザックリいきましょう。
読書スピードが遅い
スピードが遅いと「集中力が続かない」というデメリットがあります。
じっくり読み込んだほうが集中力は高まるのではないかと思われがちですが、実際には逆なのです。
車やバイクの運転と同じで読書もスピードが上がれば上がるほど、周りの雑音が入ってこなくなります。視野も狭くなります。意識を一点に集中した、いわゆるゾーン状態に入ることができます。
僕はまだまだ自在にゾーン状態に入ることなどできませんが、確かに集中力は格段に上がることを実感しています。
本を大事にし過ぎる
あなたの周りにもいませんか?丁寧過ぎるほど丁寧に本を取り扱う人が。読んだ後になるべく高い値段で古本屋に売ろうと思っているのでしょうか。
それも悪いことではないと思うのですが、本を買う、そして読むことの目的を履き違えてはいけません。
転売するために本を買っているわけではないはずです。
世の中の読書法に関する書籍には「本はどんどん汚せ」と書いてあります。重要なところには線を引いて、余白にアイデアを書き込んで、ページの角を折って…。
私も初めのうちはそうした本の読み方には抵抗がありました。親の世代に植え付けられた価値観があったからです。
教科書は汚してナンボ。本に対する意味付けを転換せよ。
子どもの頃、本を床に放置したり踏んづけたりすると叱られました。当時の価値観では、本というものは「偉い先生が書いたありがたいもの」だったわけです。
でも考えてみると、教科書や参考書はそのように扱ってきたはずです。線を引いたり、マーカーで囲ったり、書き込んだりして。そして、そこからたくさんの知識を得てきたはずなのです。
その成果として志望校に合格したり、資格試験に合格したりという結果を出してきた人は多いはずです。
ビジネス書などは特に大人の参考書ともいえるものでしょう。そういう観点から、私は本を新品同様の状態に保つ努力などまったく必要ないと思っています。
本から得た知識で結果を出すことにこそフォーカスすべきです。
3.熱が冷める
買った本にすぐにとりかからず放置しているうちに時間が経過して興味がなくなるという残念な事態です。興味には鮮度があります。
本は買ってきたその日が一番読めるといわれています。図書館であれば借りてきたその日です。その日の関心度がMAXなのです。
私の場合、2日後には半分以下に下がっているという感覚です。当日であれば「早く読みたい!」と思っています。これは“WANT”の状態です。
そこから時間が経過するにしたがい、「そういえば、あの本早く読まないといけないなぁ」という義務感に変わります。これは“MUST”の状態です。
“MUST”の状態が危険なのは「ねばならない」と思うとその途端に人間には被害者意識が芽生えるからです。こうなると、もはや読書が仕事の感覚になってきます。
すすんで読もうという気にはなれないのも当然でしょう。
買った本を読むための具体策
最後に、買った本を読むための対策を箇条書きにしておきます。よかったら参考にしてみてください。
すぐに本にとりかかる
- 本屋の隣にあるスタバで読み始める
- 帰り道の公園のベンチで読み始める
- 本屋の駐車場で読む
- そのまま海までドライブして読む
- 帰宅して手洗いをしたらすぐ目次だけでも読む
- 明日には手放すつもりで読む
時間をかけず速く読む
- 速読法をマスターする
- 省読する(今すぐ必要のないページをすべて読み飛ばす)
- 一字一句を積み上げるような読み方をやめる
本の効果を実感する
- 読書によって何か役に立った実感を得ることが大切
- 読みながらToDoリストを作る
- 読んだらリストの項目を実践してみる
- 実践結果をフィードバック(読書の意義はここにある)
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。