しつこいクレーマーや自分のミスで激怒させてしまったお客さんへの対応。この、憂うつで気が重く、しかし迅速さが求められる場面で今日から使える「鉄板謝罪術4STEP」を紹介します。
大人にとって、許しを乞える誠意ある謝罪とは何でしょうか?それはお金でも、涙でも、土下座でもありません。ただ、相手に対して順序だてて謝ることなのです。
実際にビジネスの現場で使われているテンプレートです。カンペとして保存しておくと便利かもしれません。
1.自分のミスで相手はカンカン。どうする?
「二度と顔を見せるな!!」とお客さんに怒鳴られて一方的に電話を切られてしまった。
ああ…自分のミスで重要な顧客をカンカンに怒らせてしまった。この状況、なんとか早くリカバーしないと真剣にマズい。
でもそんな時は、なかなかその後の連絡が取りにくいもの。
ああ。一体どうしたら許してくれるだろうか。謝罪しに会いに行ったところで何を話せばいいか分からない。会ってもらえるかどうかも分からない。
いきなり殴られるかもしれないな。こうなったら土下座するしかないのか?そんなことを考えているうちに、足は重くなる一方。時間はどんどん過ぎていきます。
時間の経過は致命傷
「どうしよう、どうしよう」とグズグズしているうちに時間が経ち、日が経ち、週が変わり、そして月が変わり…。
完全に謝るタイミングを失って、もう今さら顔を出しづらくなりそのままつい足が遠のき、電話連絡もしづらいからしなくなり、いつの間にか自社との関係が完全に切れてしまうことに。
もちろん上司からは大説教…。そんなことって経験ありませんか?
2.早ければ許される可能性は66%
調査によると55%の人がミスをして怒鳴られた直後の段階で「もうダメだ」「信頼関係は修復不能だ」とあきらめてしまいその後、相手とコンタクトを取ろうともしないそうです。
でも、そのまま放置してたら自然修復するなんてはずはなく、せっかく苦労して築いた人間関係が完全に壊れてしまいます。
米国の心理学者による実験では、相手がミスをした場合でも20%の人がその後の相手の話の内容によって許し、46%の人が相手の態度によって許すことがわかっています。
つまり、まだ人間関係修復の可能性は残されているのです。
謝罪はスピードが命
大切なことは間髪入れず、迅速に謝罪の行動を起こすことです。トラブルに対するレスポンスはスピードが命です。
電話では、それはそれはカンカンで取り付く島もないお客さんでも会いに行くとそこまでのボルテージではなかったりするものです。
3.これが正しい謝罪のやり方
いくら自分のミスで迷惑をかけ、相手を怒らせたからといって最初から最後まで「すみません」「すみません」と連呼するだけでゴリ押しのように謝っていれば許されるというものではないのです。
それはそうです。子供のお遣いではないのですから。
謝罪の際、忘れてはいけない4つの「順序」と「要素」があります。
それを踏まえ次の4つのステップに従ってミスに関する説明をした上で「申し訳ありません」という気持ちを相手に伝えることが重要です。
鉄板謝罪術4STEP
STEP1:理由・原因
今回のミスが起きた理由について客観的かつ簡潔に説明する。この段階で長々と話すことは言い訳ととられるので注意。
STEP2:損害・影響
今回のミスによって相手に与えた損害や影響に関する事実を告げる。
STEP3:対処法
その損害や影響に対し、個人あるいは会社としてどう対処するのかを説明する。
STEP4:対策
今後の再発防止のために、どのような対策をとった(とる)のかを説明する。
4.こんな謝り方はNG!
反対に、ほぼ上手くいかない謝り方というのもあります。」
「100%自分の責任です」
「一切、言い訳はしません」
「原因はすべて私にあります」
もしかしたら、あなたはこんな一見潔い謝りかたが一番誠意が伝わると思うかもしれません。
「自分が全責任を負うことで相手の怒りは収まるはず」と思うかもしれませんが、こういう謝り方は相手からすれば次のように受け取られかねません。
「ここまで謝っているんだから文句はないだろう。早く許してくれ」
「もうこれで今回のことはなかったことにしてくれ」
そう取られたらもう関係修復など望めるわけがありません。今回紹介した鉄板謝罪術4STEPを使う場面がないことを祈りますが、万が一の際は思い出してください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
STEP1:理由・原因
STEP2:損害・影響
STEP3:対処法
STEP4:対策
対応はスピード重視でこの順序で説明しながら、そこに謝罪の気持ちを加えるのが王道。「雨降って地固まる」ということわざもある通り、正しい謝罪を通じて関係を修復できれば、その関係は以前よりも深くなります。
この記事がその一助になれば幸いです。
では、次はこちらの記事でより具体的に上手な謝罪の仕方をみていきましょう。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。