締切が迫った仕事を抱えて、休憩もロクにとらずに半日ぶっ通しでPCに向かっても一向に仕事がはかどらない。
あなたがもし、そんな状態で悩んでいるとしたらこの記事で紹介する5つのポイントがヒントになるでしょう。
1.時間を短く区切る
人間の集中力の波は15分周期で、連続90分が限界だといわれています。大学や専門学校の講義が1コマ90分に設定されているのはそのためです。
「調子がいいから作業を中断するのがもったいない!」と2時間も3時間も休憩なしでぶっ通して作業していると、結果的に時間効率は落ちてしまいます。
また「休憩なんかしている場合じゃないんだ!」と根を詰めている場合も、集中力は思ったほど発揮されていないことが多いのです。
ポモドーロ法
集中力をコントロールする有名な手法ですが、やること自体は非常にシンプルです。
「25分作業+5分の小休憩」を一つの単位として捉えます。これを4セット(30分×4)繰り返した2時間の時点で30分間の大休憩をとります。
つまり「タスクを25分単位で区切る」という時間管理術です。これだけのことですが、効果の高さから多くのビジネスマンがこの手法をタスク処理に取り入れているようです。
これ専用のアプリもあるくらいなので、それを使っても良いしキッチンタイマーでも良いのでとにかく25分間をセットします。
僕は100均のキッチンタイマーを使っていますがそれで十分です。ポモドーロ法で大切なことは次の2点です。
- 選択したタスク以外は一切やらないこと
- 時間がきたら終わってなくてもやめること
僕は受験生の頃、センター試験の本番を想定して1教科を90分単位で勉強していました。たとえやってる途中でも時間が来たらそこで終わりです。
試験本番ってそういうものだからです。本気で集中しようと思ったら、「時間厳守」の緊張感が必要です。
集中ゾーン
25分内でも特に高い集中力を示すのが「最初」と「最後」です。意図的にこの最初と最後を多く作るためにも休憩は必須です。
集中力の波は、集中の対象から短時間でも離れると回復してまた上向いてきます。集中力が下がり切る前に休憩を挟むことは「時間のムダ」ではないのです。
集中力を要する作業の合間に休憩をとることは運動の後の休養と同じようにワンセットで必要なものなのです。
ただし、休憩が長すぎると集中力の波が下がり切ってしまうのでそこは注意が必要です。小学校では授業と休憩時間をチャイムで区切っています。
昼休み以外の休憩は大抵5~10分間でしょう。
もしそれ以上休憩が長ければ、集中力の波が下がり切ってもう一度勉強に集中するのが難しくなるので、
このチャイム間隔は実にうまく考えられていると思います。
2.休憩を入れるタイミング
ザイガニック効果
休憩は「キリの悪いところ」で挟むのがコツです。続けてやったほうが良いと思われる作業であってもあえてキリの悪いところで中断することです。
信じがたいかもしれませんが、そのほうが休憩の前後で作業内容がつながりやすいのです。
これはロシアの心理学者ツァイガルニックが提唱した「未完結な情報や途中で中断された情報は記憶に残りやすく、反対に完結した情報は忘れやすい」という記憶の性質です。
ドラマがいいところでCMに入る、次回に続く。連載マンガがいいところで次週に続く。そういったことは全部この効果を狙っています。
タスク処理に対する具体的な使い方としては、良いアイデアの根っこが浮かびかけたら休憩を挟む。問題解決の糸口が見えてきたら休憩を挟む。
こうすることで休憩中でも、あなたの脳は「あの問題は…」とどこかで気にしているスタンバイ状態になります。
そうすると休憩明けに集中力のスイッチが“ON”に入りやすくなるのです。
キリがいいところまでやってしまうと、PCで例えれば完全に電源を切るシャットダウンの状態になります。そうなると再び起動させるには時間がかかります。
休憩を終えて、すぐに集中するためにはスリープ状態のようにいつでも立ち上げられる状態にしておくことが理想的です。
3.場所を変える
集中力が落ちる原因の一つに、作業している「環境に飽きる」ということがあります。
可能であれば自宅からカフェやファミレスや図書館へ。自宅内でも書斎からリビングあるいはキッチンなど部屋を移るだけで同様の効果があります。
場所を変えることで、外部からの刺激が変わって集中力を回復させることができます。
個人的には、これは眠くなったときにも有効な方法だと感じています。
参考記事:「思考が前に進まない!そんな時はスタバに行けという理由」
4.浮かんだ雑念は紙に出す
作業の途中で雑念が浮かぶと、それが気になって目の前の作業に集中することが難しくなります。
そこで、それらを頭から追い出すためにその都度紙に書き出します。そうすることで、頭の中にその雑念をとどめておく必要もなくなりやるべき作業に集中することができるようになります。
書き出したものは脳も気が済んで忘れるはずなので、作業中には傍らに、それ用のメモ用紙を置いておくとよいでしょう。
5.リラックスする
最後にシンプルだけど重要なことを一つ。
「集中すること」に集中していてはやるべきことに集中できないのは当然です。
集中力は、心身がリラックスしている状態で初めて生まれてきます。「何が何でもやるぞ!」と肩に力が入り過ぎていると、心身が緊張してしまって高い集中力を発揮することはできなくなります。
「とりあえずやるか」くらいの軽い気持ちで始めてやっているうちに気分ノッてきて集中してくる。この現象を「作業興奮」と呼びますが、そういうものです。
「やる気になったらやろう」では、いつまで経っても始めることすら難しいのです。人は、行動していない時には「やる気」はでないのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。