不安は消せなくてもそれを一旦「横」に置いて進むことはできる!

不安を知らぬ兵士たち 仕事

やると決めたことがなかなか始められない。同じ所でずっと足踏みしてしまい、結局やらずじまい。そんな経験は誰しもあることでしょう。

人間が行動できない理由には大きく2つあります。1つめは「先延ばし」するクセ。

2つめは「失敗したらどうしよう」という不安。今回はこのうち「失敗したらどうしよう」という不安の扱い方について考えたいと思います。

不安はつきもの

不安を失くせ

特にそれまで経験したことのないことをやる場合にはどうしても不安になると思います。

不安がなくなれば行動できるのでしょうが「不安をなくせ」といっても、感情は簡単に変えられるものではありません。また、それができないから悩んでいるといえます。

意識を「症状」に留めない

体温計

この時に、フォーカスの方向を間違ってはいけません。「不安を消す」という方向ではなく、「行動する」という方向にフォーカスを当てるのが正しいやり方です。

とにかく一刻も早く不安を消そうとして「不安になってはいけない」「こんなことじゃダメだ」とそれを意識すればするほど不安の存在は色濃く、輪郭はハッキリとしてきます。

頭や歯が痛い時、それを気にすればするほど余計に痛くなるというのと同じです。あるいは風邪で体がダルい、熱が出てしんどい時も同じです。その症状や感情に意識を向けていると、しんどさは増すばかりです。

無理に打ち消さなくていい

こういう時は他のことに集中して、症状を忘れることが大切になります。「不安」や「恐怖」というネガティブな感情についても同じことがいえます。

そのネガティブな感情を「消さなきゃいけない」とそのことばかりに集中すると、余計その感情にとらわれてしまいます。

場合によっては、その感情を増幅させることにも繋がります。

森田療法

感情コントロール法の一つに「森田療法」というものがあります。

この森田療法では「目的が達成できるのなら、不安があろうと恐怖感があろうといいじゃないか」という考え方をとっています。“不安にフォーカスせず、今できる行動に集中する”これが何より大切な心構えになります。

万全にこだわる必要は全くない

ライブのオーディエンス

少し考えてみて下さい。みんながみんな万全の体制で本番を迎えている訳ではないのです。

左腕一本を負傷した状態で、大会に出て優勝する柔道家。肘の古傷の痛みをおして連投する甲子園の投手。ライブの前日まで39度の熱があったミュージシャン。

決してベストの状態ではありません。何かのマイナス要素を引きずったままでもやれるのです。

たしかに万全の体制であるに越したことはないけれど「万全」にこだわるのではなく、「結果」にこだわるということ。

悪循環のループを断つ

本を読む少年

繰り返しますが、不安な心を引きずったままでもやれるのです。今のままの心理状態でもできる行動があるはずです。

「落ちたらどうしよう」と不安で勉強が手につかなる受験生がいます。でも、不安で勉強ができなかったらどうなるでしょうか?受験に失敗する可能性がぐんと高くなります。

たとえ不安があったとしても、目指しているのは合格なのです。不安を抱えたままでもできることは必ずあるはずです。たとえば自分の得意分野の復習とか。

不安があっても何か目標に寄与する行動をとったほうがいい。そうすることで自信を取り戻せるし、不安も減っていくのです。

目の前のことを2つに仕分ける

段ボール箱に入った犬

まずはコントロール「できるもの」と「できないもの」を仕分けして下さい。

不安な感情は「できないもの」の箱に入るかもしれません。少しの行動は「できるもの」の箱に入るかもしれません。そしてコントロール「できないもの」の箱は押し入れにでもしまっておきます。

「できるもの」の箱に入った行動だけに集中すればいいのです。そこには目標を達成するためにやるべきことの幾つかが入っていると思います。

できるだけ細かく分ける

大事なことは、大きな塊として仕事をパッキングするのではなくとことん細分化してすぐに着手できるレベルの作業にまでバラバラにすること。

そして目の前の「やるべきこと」に集中して今できることから淡々とこなしていきましょう。

不安でも同伴OK

このときに、不安な気持ちを引き連れたままでも全然大丈夫です。そして、それを少しずつ着実に進めていきましょう。

そうしているうちに、ふと気づくと「できないもの」をしまった場所すらも忘れているはずです。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。