目標達成の最短コースは努力自体を楽しむことだって知ってた?

微笑む10代女性 仕事

誰もかれも目的地にいかに速く辿り着けるかを求め過ぎている。そんな印象を受けます。速さ=正義のような。

手当たり次第毎日、Web検索やSNSから新しい情報を掻き集めては、自分の頭で考えずに効率を優先し過ぎる傾向にありはしないでしょうか。

目標達成のために、最小の努力で最大の効果を求める危うさ

成長のグラフ

何かをするためのより効率的な方法論や、最速で結果が出るノウハウを求めて情報を探すのは良いと思います。

でも他人の力やテンプレートの受け売りによって、最速で目指すゴールに辿り着けたとしても残念ながら自分は成長できません。

それは、答えを片手に問題集の全ての解答欄を埋めていき、「30分で1冊、問題集が済んだ!」と喜んでいるくらい意味のないことです。

自分の頭で考えることではじめて、知識や経験・問題解決能力といった「資産」が積み上がっていくのに、もったいないことです。

最速こそが価値という風潮

スピード感のあるドライブ

今は世の中全体がどこかせわしなく結果を焦っていて、努力の過程から学ぶことやそれを楽しむ心が軽んじられているように思います。

むしろ、過程は苦痛・苦行でしかないと感じる人も多いようです。

「過程を味わう余裕なんてないんだよ!」と言われてしまえばそれまでですが、目的地に至る過程も自分の人生の一部であり、そこにこそ本来はドラマや感動や学びがあるのです。

言うなれば、目指す目的地なんて単なる“点”です。「点」は辿り着いたらあとは通過するか引き返すだけです。だからこそ、本質はそこに至る途上にあると思うのです。

早く結果を出したい人は「結果」だけにフォーカスするあまりにどうしても気分が焦りがちです。しかし、物事の結果なんて一朝一夕に出るものではありません。

そしてなかなか結果が出ないと焦るあまり、3か月や半年で「結果が出ないからやめた」となることが多いのです。これは本当にもったいなさ過ぎます。

目的地へ早く辿り着きたい気持ちはわかります。誰だって少しでも早く良い景色を見たいですから。でも、電車の中で駆け足しても仕方がないのです。

エレベーターの中で跳んでも早く下がる訳じゃないのです。

大事なのは速さよりも確実に力をつけることではないでしょうか。

努力せず楽に成功したいというニーズ

ワープ

「どこでもドア」や「リニアモーターカー」で一瞬のうちに目的地までワープすることを望む人は多いようです。

本質もわからず、自分の力もつかないままで構わないからとにかく他人の人脈やテンプレートを借りてでもワープしたい。でも、そんなことに一体何の意味があるでしょうか。

目的地までリニアモーターカーで10往復しても意味はない。それよりは鈍行列車で36時間かけてじっくり行けばいいのです。何なら気が向いた駅で途中下車でもしながら。

リニアモーターカーに乗っていたら外の景色は見えません。道中の景色を味わうことすらもできません。

もしも路沿いに、「ものすごく重大なヒント」が書かれた看板が立っていたら?リニアモーターカーでは見えない景色が必ずあります。到着時刻は早くても、決定的に不足するものがあるのです。

それは「自分の頭で考える力」つまり、「問題解決能力」。そして「経験値」と「自信」です。

自分の能力が上がらないままで成功することにどんな意味があるというのでしょう。

そうではなく、僕らはもっとしっかり地に根を張らないといけないと思うのです。そうでなければゴールの“その先”へは行くことができません。

天才も努力家も楽しむ人にはかなわない

macの画面をみてはしゃぐ子供たち

孔子の論語の一節に次の有名な文があります。

子曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

「どんな天才も努力している者には勝てず、どんなに努力する者も楽しんでいる者には勝てない」と、大意ではそういう意味です。

は「楽しんでいるときに活性化する」という性質があることからもこれは真理だといえます。

「結果はついてきたらいいよね」くらいの気持ちで、努力することそのものを楽しむ。これがもっとも将来性のある心構えだと思います。楽しいことは続けたくなるものですから。

目標と過程を旅行にたとえてみる

エアーズロックを映す車のサイドミラー

たとえばオーストラリアのエアーズロックに行くとしたら、目的地のエアーズロックだけが楽しい訳じゃないでしょう?そこへ向かう道中にも楽しいことはたくさんあるはずです。

  • 途中で立ち寄った土地のおいしい食べ物だったり
  • その街の音や熱や頬に感じる風の匂いだったり
  • 親切にしてくれた地元の人々との交流だったり
  • 逆に言葉が通じなくて苦労したことだったり
  • 異国で感じるいつもと違う時間の流れ方だったり

きっと、たくさんの楽しいことがあるはずなんです。目的地だけが楽しいなんてことはないはずです。

旅を終えて自宅に帰ってきたときに、エアーズロックの思い出しかないなんてことはまずないはずなんです。

あなたも目的地までの道中を楽しむ工夫をしてみましょう。気がついたらいつのまにか目的地を通り過ぎているくらいに。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。