「社運がかかったこのプレゼンテーションは絶対に失敗できない」
「第一志望のこの会社の面接だけは落ちるわけにいかない」
重要な場面であればあるほど、気負ってしまって不安から余計な感情が生じることがあります。
「万が一、ここで大失敗したらどうしよう…」
「緊張で喉がカラカラ。頭の中も真っ白だよ…」
ここ一番の勝負の場面なのに急に弱気になり、気分がなかなか立て直せず困ったという経験はありませんか?
気分のコントロールができれば無敵
たとえば、集中するため移動中にガムを噛んでみたり、リラックスするためにタバコを吸ったり、深く呼吸しながら成功するイメージを高めたり。
人それぞれの「気分の切り替えかた」があると思います。
もしも必要なときに必要な感情を自在に引き出せたら、最強だと思いませんか?
重要な商談やプレゼンテーションの前には「自信」を。
ここ一番の告白や面接の前には「リラックス」を。
しつこいクレーマーの対応には「冷静さ」を。
やる気スイッチの作り方
実はこれ、ほんのわずかな事前準備があれば可能なのです。魔法の「やる気スイッチ」は意図的に作ることができます。
そこで、今回はその方法を紹介したいと思います。
1.必要な感情を選択する
- 自信満々
- リラックス
- エネルギッシュ
- ポジティブ
- ワイルド
- 冷静沈着
他にもいろいろある感情の中から、あなたの欲しいものを1つを選びます。
2.その感情がMAXだった「過去のシーン」を思い描く
鮮明に思い出せるのであれば、どんなに昔のことでも構いません。
「自信」であれば、年間売上最優秀賞で表彰されたことを。
「リラックス」であれば、いつかの温泉旅行を。
「エネルギッシュ」であれば、優勝をめざし猛練習していた頃を。
そしてイメージの中でその頃の自分に同化して、呼び起こしたい感情を「五感」でたっぷりと感じます。
表彰されたときに、職場の仲間がかけてくれた言葉。仲間の表情、交わした会話、後輩の尊敬の眼差し。支店長と握手した手の力強さ、表彰状の紙の手触り。
一緒に温泉旅行にいった友達の横顔、交わした会話。湯気でけむった視界、糊のきいた浴衣の感触。
五感をフルに使って、詳細に当時の自分と同化します。しっかりとその状態に入り込むことが肝心です。
成功するかどうかはこの段階にかかっています。
“五感を使って深く入り込むこと”。
それが唯一かつ「絶対」の条件となります。この入り込みが強ければ強いほど、強力なスイッチになります。ここに「すべての集中力」をつかってください。
3.アンカーをつくる
仮に、今回は必要な感情が「自信」だとします。
回想シーンの中で感じる自信が“最高潮に達する一歩前”のタイミングで耳や頬といった「自分の体の特定の部位」に触れます。
耳たぶを引っ張るといった「動作」でも構いません。
これにより、その部位に触れた「刺激」と「感情」をリンクさせます。
このときの刺激のことを“アンカー”と呼びます。
この時の注意点が2つあります。
A.特定の部位
最高潮に達した感情は、その後は下降線をたどります。
必ずそうなる前、“感情がピークに達する直前”でアンカーをつくる、つまり特定の部位に触れて「刺激」を加えます。
B.特定の動作
「普段やらないような動作」をアンカーにすることです。
「頭をかく」とか「腕を組む」という日常的なものはNGです。なので、普段から耳たぶを引っ張るクセのある人はそれ以外の刺激にします。
4.いったんクリアしてみる
「刺激」と「感情」をリンクさせたら、一度その刺激と感情から完全に離れます。
体をゆすったり、その場で軽くジャンプしたりして先ほどの刺激(アンカー)を体の中から追い出します。
口直しに寿司屋でガリを食べるようなイメージです。こうしていったん直前の感覚を消し去ります。
5.動作確認をする
先ほどの刺激(アンカー)で感情が呼び起こせるかどうかを確認します。
もしも感情が呼び起こせない場合には以下のことが考えられます。
- 「過去のシーン」への入り込みが甘い。
- 刺激(アンカー)を長時間かけてつくっている。
過去のシーンに深く入り込むことが不可欠です。
「自信がある、自信がある、自信があるんだ!」と強く念じるのではなく、五感をフルに使って、その当時の自分と「同化」してしまうのです。
またアンカーをつくる時間が長くなると、感情が最高潮の状態から下降線に入ります。
ですので、ここは数秒でやってください。
これらに気をつけて、もう一度挑戦してみてください。このスイッチは一度作れば、何度でも使えます。うまくいくまで試す価値はあると思います。
さいごに
ちなみに、プロアスリートはほぼ例外なく全員がこのスイッチを持っています。
試合中に額や左胸など体の特定の部位に触れたりペンダントやリングにキスしたりしているのを見たことがないでしょうか?
彼らは日々想像を絶するプレッシャーの中で戦っています。
彼らほどの重圧ではないにしろ、私たちも日々ストレスにさらされて生きています。
私たちも彼らと同じやり方で必要な感情を自在に引き出してパフォーマンスを高めることは可能なのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。