以前別の記事で残念な新車の営業マンについて書きました。
その後、結局は紹介者の顔を立ててその残念な営業マンからクルマを買って先日納車となりました。
見事に最初から最後まで残念なダメ営業マンだったので、反面教師としていただければと思い再度、記事にします。
今回、一番お伝えしたいことはタイトルのとおり「営業マンと顧客では感情のピークに時差がある」ということです。
営業マンならもっと顧客の気持ちを考えろ
僕は1ヵ月前、お世話になった人に紹介された営業マンから車を買いました。不安と不満で一杯の商談でした。でも、僕は紹介者の顔を立てることにしました。
その営業マンは商談の席で注文書の控えを作ることが出来なくて「注文書の控えが作成でき次第ご連絡します」といいました。
それから2週間以上たっても何の音沙汰もなしです。さすがにしびれを切らせてこちらから連絡すると、「ちょうど電話しようと思ってたんですよ」とのこと。
ついでにその電話で納車の予定日を尋ねると、「日にちが分かり次第ご連絡します」といったきり、そこからさらに2週間も音沙汰なしです。
今乗っている下取車が車検切れになる1週間前になってもまだ連絡がない。
「まあ、信じてギリギリまで待ってみよう」と思い、車検切れ2日前の夜まで待ったけど連絡がない。
さすがにイライラしながらこちらから連絡すると
「車検切れは明後日でした?車が間に合いませんね~」
「う~ん、代車は全部出払っちゃってるしな~」
僕もさすがに頭にきて、電話でブチ切れてしまいました。
商談時の査定で1ヵ月後が車検切れだと分かっていたはず。「間に合わなければ代車を用意します」ともいわれました。それが、結局直前になってこんな有様です。
その営業マンはこの道20数年、45歳のベテランです。今年入ったたばかりの新入社員じゃないんです。
「お前どうするねん!!」と僕は電話を切っちゃいました。
僕のあまりのキレ方に焦ったのか、30分後に電話がきました。
「すみません!代車用意しました!」と。
そこまでは彼なりに状況をよくリカバーしたと思いました。
だけど、代車の説明をする時にまた次の地雷を踏んだんです。
「その代車って保険に入ってますよね?」と私。
「ただ、車両保険がないのでぶつけたら弁償です」
「?」
「もっと他に言い方はないのか?」と正直思いました。
念のため「え?どういうことですか?」と尋ねてみました。
すると「代車を傷つけたら修理代をいただきます」とのこと。
私はもう怒る気にもなれませんでした。この人ではクルマは売れないはずだと思いました。
して今回が最初で最後の取引になると確信しました。
今回の営業マンへのダメ出しポイント
1.言ったことを忘れる
今回でいえば、注文書の控えができた時や代車を用意した時などに自分から連絡するべきでした。
2.進捗状況の報告が一切ない
今回でいえば、必要書類・任意保険の車両入替・納車の予定などの連絡が一切なく「大丈夫かな?」と心配になりました。
途中報告がまったく抜けていると、顧客は不安になるものです。
お客さんから「ところであの件はどうなってますか?」などと問い合わせがくることは、営業の恥だと心得なければいけません。
3.モノには伝えようがある
「代車をぶつけたら弁償です」なんてアホかと思いました。
「どうかキャンセルだけはご勘弁を」と店長が平謝りでした。
4.営業マンと顧客とでは感情のピーク時期が違う
営業にとって一番うれしいタイミングは契約時です。顧客にとって一番うれしいタイミングは納品時です。
この時差をちゃんと理解しておかなくてはいけません。
営業マンはにとっては、数ある契約の中の一つ。売ったらその顧客への熱は冷めて、次の契約をとることで頭が一杯かもしれない。
私も10年以上営業を経験しているので、それはわかります。
だけど、それが顧客に伝わっては絶対にいけない。
「釣った魚に餌はやらない」的な態度では一発屋にしかなれません。
購入してくれた顧客の満足度が低くリピート率が低いため、ノルマをこなすために常に新規開拓の必要に迫られます。これではジリ貧になることは目に見えているでしょう。
顧客は購入時から営業マンとの付き合いがはじまるのです。
「釣った魚」を大事にしていればまた帰ってきます。それも紹介客というほかの魚を連れて。
顧客に叱られるうちが華だと思え
「叱られるうちが華」といいますが、その通りだと思います。
僕はこの営業マンに対してもう何も言う気になれません。彼にはこの先もう何も期待していないからです。
もちろん、もう二度と彼から買うこともないでしょう。
もちろん、誰も紹介もしません。できません。
叱る・怒るのは、その相手に「何かを期待している」からです。
相手に期待しているから、その期待が裏切られたときに怒るし相手に良くなって欲しいから、その期待を込めて怒るのです。
他人を怒るのには大きななエネルギーが要ります。怒るためのエネルギーだってタダじゃないのです。
「コイツにはいうだけムダだ」と思った時点でもう怒らなくなります。エネルギーを使うだけもったいないですから。
さいごに
今まで怒られていた人に怒られなくなる理由には2つあります。
「怒られる原因が改善された」か「愛想をつかされた」かです。
そして、相手が顧客の場合に後者の理由で怒られなくなったとしたら、後は自分のもとを去っていくだけです。
最も怖いのは怒る客ではなく、何も言わずに去っていく顧客です。
怒る顧客は立ち去る前にワンチャンスを与えてくれているのです。
今回、僕は合計3回のチャンスを与えましたが残念です。
今回のネガティブな記事が営業マンのあなたの参考になれば幸いです。