人間の脳はネガティブがデフォルトだから気にしなくてもいい

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「物事はネガティブにとらえるよりもポジティブにとらえたほうが必ずうまくいく」――これって、世にあふれる自己啓発書や成功法則本にほぼ例外なく書かれていることです。
たしかに「イメージが現実を引き寄せる」という現実からも、このことに関して異論を差し挟む余地はありません。ですが、そうした啓発書を読んだ後でもきっとまだ、あなたはネガティブなのではありませんか?

ポジティブ思考は後天的なもの

煌めくニューロン
いくら頭ではわかっていても、ネガティブ思考をポジティブに切り換えることはスイッチを「パチン」と切り替えるように簡単にはいきません。
それはあなただけでなく、誰にとっても同じこと。人間のはもともとマイナス思考をもっているのです。

脳科学者の視点

このことについて、脳科学者の茂木健一郎氏は自身の訳書の中で次のように説明しています。

原始時代、人類の祖先は状況を楽観的に考えるより、あらゆる危険に注意を払うような暮らしをしていました。
いつも最悪の状態を想定して警戒することにより、子孫を守り繁栄させてきました。

「生き残り続けるためには、どんな小さな危険の兆候も見逃してはならない」「たとえそれが取り越し苦労だったとしても、重大な危険に気づかないよりはいい」。人類の祖先はずっと長い間そう考えていました。

ネガティブ遺伝子

DNA
現代においては「人間が外敵に襲われる」という類の心配は、もはやどこにもありません。
それにもかかわらず、遺伝子レベルでは「祖先からの思考回路」を受け継いでいるため、人間の本能はやはり楽観的に考えるより悲観的な思考を選んでしまうのです。これを「自動思考」と呼ぶことがあります。
だから、もしあなたが「頭ではわかっているのに、なぜかポジティブ思考ができない」ということで悩んでいるとしたら、それは理にかなったごく自然なことだと知って欲しいのです。
「ああ!自分だけは何でこんなにネガティブなんだ!」なんてムダに悩む必要などないと知って欲しいのです。

遺伝子レベルの食い意地

食べ過ぎる女性
遺伝子の記憶はこんなところにも名残をとどめています。「ダイエットをしているのに、つまみ食いがやめられない」「お腹は減っていないけど、目の前にあるとつい食べてしまう」という状況。これも同じデフォルト設定なのです。
人類の歴史は、飢餓の歴史ともいえるものでした。運良く食糧を手に入れたときに、食えるだけ食っておく。そうしないと、次はいつ食べられるか分からないからです。そんな生活を何万年もずっとずっと続けてきたのです。

急激な変化に対応し切れない

「いつでも食べたいときに食べられる」という時代になって、せいぜいまだ50年あまりでしょう。その急激な変化に人類が適応しきれなくても当然です。
遺伝子レベルの「飢餓の時代の記憶」が現代人を「つまみ食い」という行動に駆り立てるのです。

情報は書き換えられる

結局のところ、「ネガティブ思考」も「つまみ食い」も生来のプログラムなのでどうすることもできません――という話をしたい訳では勿論ありません。プログラムはいわば単なる「情報」です。情報である以上、それは書き換えが可能です。
書き換える方法についてはこちらの記事で解説しています。
>>【極シンプル】世界一受けたいネガティブ思考改善講座
この記事ではとりあえず、あなたのネガティブはごく普通のことなのだということだけ知っておいてください。

まとめ

スタートライン
いかがだったでしょうか?

  • すべての人間はネガティブがデフォルト設定
  • 設定はデフォルトのままでも使えるし、自分好みにカスタマイズすることもできる

この記事であなたに伝えたいことは、プラス思考を目指す出発点として「人間は生来ネガティブ思考をする存在なのだ」という前提に立ち、今のネガティブ思考を「デフォルト設定」として、ひとまず認めて欲しいということです。
つまり、「自分のネガティブを否定する必要はない」ということ。
究極のプラス思考を得ようとするなら、究極のマイナス思考から出発するべきであり、必死になってそれを排除する必要などないのです。では、次は「ネガティブ思考改善講座」でお会いしましょう。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。