無限ループを断ち切れ!イチロー選手に学ぶスランプ脱出法

バスケットボールを持つ子供 仕事

以前は難なくできていたことができなくなった。順調に伸びていた技術が頭打ちになってしまった。そんな状況はあなたも経験したことがあるでしょう。

俗に「スランプ」と呼ばれるこの状況ですが、一度ハマるとなかなか抜けることが難しいものです。

なぜなら、それを意識すればするほど深みにハマるという悪循環のループに突入してしまうからです。

この記事では、その「スランプ」の正体と負のループを断ち切る方法を明らかにしていきます。

スランプって何だったっけ?

クエスチョンマーク

スポーツのパフォーマンスや学業の成績あるいは営業成績が下がったときに語られることが多く、これまで順調に上昇・維持をしていた成長カーブが停滞している期間を指してこう呼びます。

【スランプ】slump
心身の調子が一時的に不振になっている状態。
実力が発揮できず、成績が一時的に落ち込んでいる状態。

出典:デジタル大辞泉

たとえば、今あなたがバスケットボールを練習しているとしましょう。この場合、「時間」と「技能の習熟度」とは単純な比例関係にはありません。

技術が一定のレベルまで達すると、同様に練習を続けても一時的に成長が停滞する現象が発生します。

この停滞期間が「スランプ」または「壁」と呼ばれます。スポーツ以外でも、何をしてもうまくいかない時期のことをひとまとめにしてスランプと呼んでいます。

しかし、発揮できるパフォーマンスには波があるのが普通です。スランプと呼ばれる状態も最高の状態・平均的な状態と比べた上でのあくまでも相対的な状態なのです。

スランプの正体は「思い込み」と勘違い

今回もまた結論から書きます。スランプとは「ただの言葉」でどこを探してもありません。

一般的に「何をしてもうまくいかない停滞期」をスランプとか「壁」と呼んだりします。しかし、そうしたものは自分の作りだした幻想に過ぎません。

幻想は自分の内面だけにあり、現実には存在しません。

「スランプにハマった」という人は、そこに壁など無いのにもかかわらず自分で壁を作り出しているのです。

うまくいかないその状態に「スランプ」という名前を与えることでひとまず自分を納得させようとしているのです。「今はスランプだから仕方ないよね」と。

繰り返しますが、スランプも限界も「自分の思い込みが作っているのです。

しかし、その自分で作り出した壁にブチ当たって苦しんでいるのは例外なく「ひとつのことを一生懸命にやっている人」です。

だからこそ、スランプを感じている人はそう感じられる自分を誇って欲しいと思います。適当にやっている人は壁やスランプを感じることがありません。

そもそも、そんな高い意識レベルではやっていないのですから。

スランプから抜けられなくなるハウリング効果

スピーカーシステム

スランプは自分の意識が「結果」にしか向いていないから起きているだけです。その極端・未熟なものの見方がスランプを作り出しているといえます。

そして「自分は今スランプなのだ」と何度も自分で自分に刷り込む思考回路により、間違った思い込みは強化されていつまでもスランプから抜け出せなくなるのです。

これは心理学で「ハウリング効果」と呼ばれるものです。

マイクを使うときにスピーカーから「キーン」という高音ノイズが出る現象を「ハウリング」といいます。

これはスピーカーから出た音がマイクに入り、その音が増幅されてまたスピーカーから出る、その音がまたマイクに入り…という繰り返しにより生じる現象です。

人間の心にもこれと同じ現象が起きます。

いいですか?本当はスランプなんていう事実はない。

勝手にそう思い込んで、自分で思い込みを強化しているだけです。スランプとは負の自己暗示です。

意識を「過去」から「今」へシフトする

それでも「スランプだ」と感じたときにはそれをどう捉えてどう行動すれば良いのかを以下に述べます。

好調時の自分を思い出してそれと比較したりすることはせず、「今ここ」に意識を集中したうえで“淡々と目の前のやるべきことをやっていくだけ”です。

イチロー選手、野村克也監督、王貞治氏らがスランプ対策としてこれと同じことを話しています。

野球だけでなく学業にも同じことがいえます。たとえスランプと感じる時期でも、勉強自体はやめないで自分の得意教科など比較的楽にやれることを続けることがスランプという幻想を脱出する唯一の方法です。

スランプだからと何もせずに休んでいると、その間にもライバルはどんどん先に進んでしまうのです。

また、中学生からスランプ対処法を尋ねられたイチロー選手は「対処しないことです。つらいけどそのままでやって下さい」と答えています。

「どうすればいいかわからなくてつらくても、わからないままやり続けるしかない」。そういわれると、救いがないと感じるかもしれません。

イチロー選手の真意は後述のまとめに譲ります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

抽象的かつ厳しい内容でガッカリさせてしまったでしょうか?

しかし、イチロー選手の伝えようとしたことの真意はつらくても苦しくてもそうした自分の感情とは関係なく、『その状況において、やれる事をやれる範囲で感情を介さずに淡々とこなしていく』ということではなかったでしょうか。

その状況でやれることとはつまり、少し源流に立ち返るということ。

今まで130kmの球で打撃練習していたのなら100kmに落としてみる。難易度Dの問題集を解いていたのなら、難易度Bの問題集にしてみる。

法人の新規開拓が難しいと感じるのなら、個人のフォロー活動に徹する。

これが「スランプ」という幻想を突き抜ける、唯一にして最良の方法だということは疑う余地もありません。

もしもスランプに陥ったと感じたときは、それに向き合わず対処せず単なる「思い込み」なのだと知ってください。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。