パニック発作に陥るまで気づかないフリをしたストレスのツケ

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ストレスまみれなんてもんじゃない生活

時間に追い立てられる暮らし 私は1年前まで10年間、大手企業の営業を担当していました。振り返れば、営業時代の私はそれはもうストレスまみれでした。 思い返せば、いつも何かに追い立てられているような気がして寝ているとき以外は気が休まることのなかった日々でした。 今のあなたと同じように何回か胃に穴もあけました。

会社では板挟みのストレスを抱えていた

いわゆる中間管理職として後輩や部下を取りまとめながら、自身も必死で毎月の目標を達成し続ける日々。 それが災いしたのか会社には身の丈以上に過剰に期待され、増えていく一方の営業ノルマに対するプレッシャー。
  • 担当する顧客数が増えるほど増えていくクレームへの対応
  • 後輩や部下のフォローと、上司やそのまた上司への報告書
  • さらには職場内でのくだらない派閥争いにも巻き込まれ

家庭も安らげる場所じゃなかった

そんな職場をあとにして、連日深夜1時をまわった頃。疲れ切って家に帰ると室内は暗く、家族はすでに寝ています。 私は1人キッチンで食器の物音に気を遣いながら静かに冷えた食事をチンもせずに食べて寝るだけの生活。シャワーとドライヤーの音にも細心の注意を払います。

休日さえも落ち着けない

たまの休みの日には昼間で寝ていたいところですが、普段の深夜残業や休日出勤で不機嫌な家族のフォローです。なかなかゆっくりと寝てもいられませんでした。

ストレスに蝕まれていく人格

大量の吸い殻 こんなふうに会社にいるときも、家族といるときも、私は常にストレスを身近に感じながら生きてきました。ストレスを紛らわそうと、タバコの量が増えました。 しかし、タバコの量が増えると今度はまた別の「このままだと肺ガンで死ぬんじゃないか」というストレスが出てきます。 もう本当に、どこにも救いがないような日々でした。 もう生きている限り、悩みやストレスは尽きることがないのか…

弱い自分を責めるようになる

自分の置かれた環境の変化、他人の発言や態度によってどうしてこんなに感情がザワついたりイライラしたりするのか。外野の反応がどうでも、自分の中の何も変わる訳じゃないのに。 こんな調子で日常的にストレスまみれだった私は、次第にストレスに対して「鈍感」になっていきました。しかし、それはストレスを受けなくなったのとは違います。 ただ、「気づけなくなった」だけだったのです。 その間にも静かにストレスは私の中に蓄積していきます。普段の仕事のバックグラウンドで静かに、確実に。

初めて経験したパニック発作

車の運転 そんな日々が何ヵ月か続いたある日のこと。 いつものように営業先から会社に向かい車を運転していると、突然息苦しくなりました。具体的には、意識しないと息が吸えなくなったのです。 「あれ…?何だよこれ!!」と思って焦っている間に、すごい速さでどんどん、どんどん呼吸困難に陥っていきます。 「い、息が吸えない…苦しい」運転中にもかかわらず、次第に目の前が暗くなり、両方の手先が痺れてきました。 腕が思うように動かせなくなり、手のひらには大量の汗。 かなり交通量の多い道路を運転中のことで焦りました。今、これを書いていても思い出して手に汗を握っています。事故しないように、車を路肩に停めるのが精一杯でした。

「本気で死ぬかも」という恐怖

大げさではなく「もうダメだ…気を失って死ぬかも…」と思いました。あんなことは生まれて初めてでした。あとでそれが「パニック発作」だったのだと知りました。 それから度々、その発作が起きるようになって次第に車の運転が怖くなりました。 医者から指示されて、車内にはパニック発作対策のビニール袋を常備するようになりました。もし過呼吸で苦しくなったら、それを口に当てて自分の二酸化炭素を吸って呼吸しろというのです。

頻発しはじめたパニック発作

運転以外でも息苦しくなることが増えてきました。過呼吸が起きて一番困る場面は、なんといってもお客さんとの商談中です。 苦しくても息継ぎをして話さないといけない。笑っていないといけない。聞かれたことには答えないといけない。それもスムーズに。リハーサルではないぶっつけ本番。逃げ場はない。 …それはもう必死でした。

生きるために考えたコト

そんな状況にどうにか耐えつつ、事態を好転させる方法を探る日々が続きました。 「このまま医者の世話になっていて治るようなものなのか?」 「医者は袋を吸えといったり、安定剤を出すだけじゃないか」 「ストレスがある限り、この発作も治らないんじゃないか?」 「今の環境が悪いのか、それとも自分に何か問題があるのか?」 そこを突き止めなければ、根本的に解決しないと考えたのです。 おそらく他の多くの方と同じように、最初は自分の脳の異常を疑った僕も脳外科でCTやMRIや脳波測定をしてみました。 結果はすべて「異常の所見なし」でした。 ホッとしたような、ゾクっと絶望したようなそんな気分を覚えています。そして脳外科の医師からは心療内科の受診を勧められました。目の前が真っ暗になりました。 通院がはじまり、私はカウンセリング、投薬治療、認知療法などを受けました。 そんな中、「人生をめちゃめちゃにした『ストレス』っていったい何なんだ…?」という疑問に至ります。 その頃から私とストレスとの戦いは始まったのだと思います。

生きるためにストレスをコントロールする

絶望する男性 私は「ストレスを自分の支配下に置くこと」を目指してスタンスを「逃げ」から「攻め」に切り替えました。 次章でストレスに関してもう少し掘り下げてみましょう。

ホメオスタシスの存在を知る

生物には「ホメオスタシス」というものが備わっています。これは生体の内部環境を一定の状態に保つ「恒常性維持機能」です。 体温や血圧を一定に保つ、ばい菌やウイルスなどの異物を排除する、傷を修復するいったことも、すべてこの恒常性の働きによるものです。 つまり、恒常性は「生物になくてはならない機能」だから備わっている訳です。

ストレス反応とは何か

「ストレス反応」とは、恒常性によって一定に保たれている生体の諸バランスが崩れた状態から回復する際に生じる反応のことです。 そして、バランスを崩す要因となるものは「ストレッサー」と呼ばれ、これにはいくつかの種類があります。

ストレッサーとは何か

日常生活に存在する最も多いストレッサーとは外的刺激によって引き起こされる「怒りや不安」などの感情、つまり「心理的ストレッサー」と呼ばれるものです。
  • 大嫌いな上司に、見せしめのように朝礼で激しく叱責された
  • 思い切って髪型を変えた次の日、学校で友達に大爆笑された
  • 自分の彼氏が、女友達とLINE連絡先を交換しているのを見た
人によってストレスを感じる場面はいろいろだと思いますが、こんな場面はそれこそ毎日でもあるでしょう。

ストレスは自然発生し続ける

ストレス反応が無意識で働く自動システムである以上、徹底的にストレスの正体を知り、意識的にコントロールしなければ一生ストレスとは縁が切れないことに改めて気づきました。 それまでは、ストレスには慣れるものだと思っていました。ほんとうに「そのうち無くなるだろ」と軽く考えていました。 私はパニック発作を何度も繰り返し経験し、自分の身をもってストレスに潰される恐怖を体験しました。 それ以来、自分が自分でいられるために目をそらさずストレスに正面から向き合うようになりました。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます。 最後に「私があなたにできること」を書いて終わりにします。 過度なストレスの存在は人生の質を著しく低下させます。だから私は、ストレスから自分を解放する方法を探し続けました。そして、今も探し続けています 私が手に入れた「ストレスをコントロールする技術」はすべて記事を通して、同じ悩みを持つあなたと共有していきたいと考えています。 あなたはムダに苦しむ必要はありません。私の経験にレバレッジをかけてより良く生きてください。 あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願っています。]]>