あなたの読書がやがて義務感からストレスに変わる理由とその対策

積み上げられた大量の本 考え方

「積読も読書のうち」なんていいますが、あなたは最近、本を読んでいますか?忙しくてとてもそんな時間はありませんか?

タイトルに思わず反応して衝動買いしたものの、未読のまま積んでいる何冊もの本をみるのがストレス…。まさに「積読」ってヤツですね。もしかすると、僕と同じようにあなたもそんな状態になってはいないでしょうか?

本を買うのはそもそも何のためか

本の上に置かれたリンゴ

自己啓発・成功哲学・ビジネス書といったジャンルの書籍は勉強熱心な20-50代のビジネスマンに根強い人気のようです。

そもそも本って一体何のために読むのでしょうか。ちょっと何か知りたい程度なら、ネット検索で十分なのではないですか?

僕は一時期そう思っていて、ずーっと主にネットからの情報だけに頼ってきた結果、「そうではない」と気づきました。

たしかに断片的な情報ならインターネットからも得られます。しかし「体系立てて学びたい」あるいは「より正確に学びたい」と思ったら、書籍にまさる情報源はありません。

そして何より、出版社のチェックを経て世に出ている書籍と比べ、匿名で自由に発信されるネット上の情報は信憑性に欠ける部分が大きいことも事実です。

僕たちは、うまくいかない人間関係の改善方法や、より効率的な仕事術についてのヒントを求めて本を手にします。

今はリアル書店に足を運ばなくても、本はAmazonなどでクリック・タップすれば夜中でも買えます。また中古書店も増えて、新刊でもすぐに格安で手に入ります。かつてこれほど、本を買うハードルの低い時代もなかったでしょう。

悩みや課題を抱えて書店に入り、何冊か手に取ってパラパラめくっているうちに「これこそ今の自分にピッタリの本だ!」と思える本に出会うことがあります。

本を所有することで発生するリスク

青天井の図書館

そんなとき僕は、実際には状況は何も変わっていないのに「これで問題は解決した!!」という一種の達成感をおぼえます。その本を入手したことで、既に自分が「やり遂げた気」になります。

そして、本が自分のものになった途端に読む気が失せるのです。立ち読みで選んでいるときはあんなに熱心だったのに。こうして今日買った本も「積読」の仲間入りとなります。

本を買うだけで状況が変わる訳がない!!

コピー用紙の束

本を開けばそこに問題解決のヒントが書かれているとしても「買ったからもういつでも読めるしー」と後回しにしてしまう。

所有したことで「読んだ気」になって気が済んでしまうのです。買っても読まなければ、何のヒントも吸収できていないのに。

それは学生時代の試験勉強に似ています。友達から借りたノートをコンビニでせっせとコピーして、そのコピーの束の多さに満足して勉強した気になるのと同じです。

少し大げさかもしれませんが、それは恋愛にも少し似ています。あんなに好きで好きで仕方なかった憧れの彼女とも実際、付き合うようになった途端に熱が冷めはじめる。自分の手が届く存在になった瞬間から関心が薄れていくのです。

理由を潰せば積読はなくせる

「本は買ってきた日が一番よく読める」と言われます。時間が経つにつれて読みたい衝動が鎮まり、関心が他に移ってしまうからです。

とくに情報過多の現代では、この傾向は一層強くなります。主体的に探さなくても昼夜を問わず、ひっきりなしに情報のほうからこちらへ飛んでくるのですから。

苦にもならない読み方を伝授します

読書のスピードアップ

買ってから時間が経つにつれ、今度はその本を読み通すことがストレスになることがあります。その理由は、「読みたい」という願望が次第に「読まなければ」という義務感に変わるためです。

さて、そんな状況で買った本を効率よく読むためにどうするか。結論から言うと、一冊の本に「時間をかけない」ことです。

時間をかけないというと「速読術」を連想される方が多いと思いますが、何も速く読む方法はそれだけではありません。速読はしない。ではどうするか。

小説などストーリーを楽しむ「趣味の読書」の場合は別ですが、今の自分にとって要らない部分を「読まずに捨てる」ことです。これにより読むべきページが大幅に少なくなります。

僕がモデリングしたこの方法はもともと、読書の達人でもある本田直之氏の読書法です。

80:20の法則

マシュマロチョコレート

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した「80:20の法則」というものがあります。別名「パレートの法則」とも呼ばれますが、それはたとえば次のようなものです。

  • ある会社の売り上げの80%は上位20%の社員が出している。
  • あるお店の利益の80%は全顧客の20%がもたらしている。
  • ある国の富の80%は国民の20%に集中している。
  • ある本のエッセンスの80%は全体の20%に集中している。

僕の感覚でも200ページの本だと読むのは40ページほどです。その結果、一冊にかける時間も劇的に短縮できるのです。

時間のほうがもったいない

これをもったいないと思うでしょうか?いいえ、そうではありません。

買っただけで開きもしないほうがよっぽどもったいないのです。抜粋を読んだだけでも、今の自分に必要なヒントは必ず得られます。それは「問題意識」というアンテナが立っているからです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

最後にもう一度ポイントを簡単にまとめておきますね。

  • 「本は全部読まなければならない」という強迫観念は不要
  • 一字一句逃さず読む必要などまったくない
  • 一冊丸ごと全部が自分の役に立つなんてありえない
  • 車の運転も読書もスピードが上がるほど集中していく

この感覚は試してみてもらえるとわかると思います。「本を読む」ということに対するあなたの認識・価値観が変わって、積読の在庫がグッと減るはずです。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。