職場でも学校でも、集団においては必ず人間関係が生じます。
学校でのいじめも昔とはずいぶん様子が変わっているといいます。急増しているネットでの間接的ないじめもその一つです。
ネット特有の匿名性のため「誰にいじめられているのかもわからない」という点で極めてタチが悪いものだといえます。
時代により手段が変わるだけでいつの時代にも「いじめ」はなくならないということでしょうか。
ターゲットになるタイプ
さて、本質的に変わってきたのは「いじめられる子どものタイプ」です。
かつては陰気だとか、浮いているとか、運動が苦手だとかいじめられる子にはある種の特徴がありました。ところが今では、いじめられる子に決まったタイプはないそうです。
昨日までみんなと仲良くしていた子が、突然いじめの対象になることが少なくないのです。
いじめたくていじめてる訳じゃない
いじめている子どもたちに、何故その子をいじめるのかと聞くと本人たちもハッキリとした理由がわからないといいます。
ただ、誰かをいじめないと自分がいじめられるから誰でもいいからいじめるのだというのです。
本当に寂しい話ですが、これはこれで子供なりに自分の身を守るための処世術ということもできるでしょう。
結束する条件
人間には「共通の敵をもつと結束しやすい」という傾向があります。いじめられっ子というクラス共通の“敵”をつくればクラスの他の子たちと仲良くしやすくなるわけです。
共通の敵の存在
この心理は人間の中にある「同調の心理」と関係しています。これは「他人と仲間になりたい」「他人と同じ行動を取りたい」という心理であり、人間なら誰しも持っているものです。
この同調の心理は、共通の敵が存在する場合に非常に働きやすくなります。
上司という共通の“敵”の悪口を言うことで、同僚同士が仲良く酒を飲めるというのもこの心理によるものです。同級生をいじめる小中学生の心理も同じでしょう。
職場での応用方法
これを逆手にとれば、苦手な相手でも味方につけることができます。たとえば、赴任してきた同僚とどうもソリが合わない。にもかかわらず、一緒にプロジェクトを担当することになってしまった。
このように仕事においては嫌いな相手とも上手くやらないといけない場面は多々あると思います。こんな時、どうすればストレスを減らして仲良くやれるのか。
ここでも共通の敵を設定
そんなときには、他の部署や他社に共通の“敵”をつくればいいのです。
「このプロジェクトが失敗したら、ウチの課は〇〇課に吸収され自分たちは真っ先にリストラ候補にされてしまうらしい」とか、「このプロジェクトが成功したら、〇〇社を抜いてウチのシェアが業界1位になる」といった話をします。
よく「敵の敵は味方」といいますが、敵を憎いと思う気持ちがあれば、多少気に入らない相手とも同調しようという気になるものなのです。
ほんのちょっとしたことですが、効果は絶大です。お互いに苦手意識を持った者同士、面と向かい合うのは気が引けても、同じ方向になら向けるのです。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。