「白か黒か」「善か悪か」「敵か味方か」「1番かそれ以外か」「0点か100点か」。
時々こういったAll or Nothig的なものの見方をする人がいますが、それではあまりにも勿体ないと思うのです。
二分割思考はあまりに動物的
実はこうした二分割の思考はあまり知能の発達していない動物的な発想法なのです。
目の前の物事に対して「二つの可能性」しか考えられない。これは知能の低い動物にでも可能な思考であるといえます。
薬か毒かの二分割思考
毒性学の基本的な考え方では、「ほとんどの物質には多かれ少なかれ毒性がある」としています。
たとえば日常的に口にする砂糖や食塩なども大量に摂取すれば危険です。しかし、これらは「毒」とは呼びません。
「益にも害にもなるもの」
これはほぼ全てのものが持つ性質です。なんだか極めてグレーな感じがします。
野生動物の思考回路
いわゆる「薬草」というものがあります。これも少し食べると“薬”になるけれど食べ過ぎると逆に“毒”になります。
あるとき、動物の群れの中の一頭がこの草を食べ過ぎて死んでしまいました。すると、その動物は二度とその草を食べなくなります。
それは「少し食べるだけなら薬になる」という高度な知的判断が動物にはできないからです。
だから「この草は毒だ」と決めつけて食べなくなるのです。少なくとも「食べなければ死なない」ことは分かります。だから、食べないことを選びます。
「白」か「黒」かをはっきりさせておいたほうが、種の保存には有利だという本能が働くのです。
人間の思考回路
一方、人間の場合はフグのように毒を持つ魚でも毒を取り除けば食べられるということを理解できます。
動物の知能ではそんなふうに考えることはできません。動物には白と黒の間の「グレーゾーン」は判断できないのです。
でも少し考えてみてください。グレーゾーンに属するものがいかに多いことか。
これらを全て「白でないものは黒だ!!」とバッサリ切り捨てていたら一体何が残るでしょうか?そもそも、こういう考え方は自分を苦しめます。そして自分を縛りつけ動けなくさせてしまいます。
二分割思考とストレスについては、こちらの記事をお読みください。
どうでしょうか。あなたのその二分割思考は自分を苦しめてはいませんか?
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。