人生の大部分を占める「仕事をする時間」が、もし充実していなかったとしたら、それは人生そのものが充実してないと言えるのかも知れません。
もし、そうだとしたら「転職をしよう」と考えるのは、ごく自然な流れ。
もちろん、勢いだけで転職を決断するのは危険ですが、何事も「タイミング」が重要です。
今回はそのタイミングについて見ていきましょう。
転職理由から見た「良いタイミング」とは?
「転職情報サイトDODA」から発表があった「2015年上半期転職理由ランキング」を見てみると、あなたに当てはまる理由が見えてくるかもしれません。
そしてその理由ごとに転職に踏み切るタイミングは違うものです。まずはランキングを見てみると―
<男性>
1位 「ほかにやりたい仕事がある」
2位 「会社の将来性が不安」
3位 「給与に不満がある」
4位 「残業が多い、休日が少ない」
5位 「専門知識、技術力を習得したい」
<女性>
1位 「ほかにやりたい仕事がある」
2位 「残業が多い、休日が少ない」
3位 「会社の将来性が不安」
4位 「給与に不満がある」
5位 「雇用形態を変えたい」
このように、転職理由として男性はキャリアアップやスキルアップを図りたいという「成長への意欲」が強いように見受けられます。
一方、女性は現状の働き方に対する不満が反映された理由が上位にランクインし、「働く環境や待遇へのこだわり」が引き金になることが多いようです。
では一つずつ考えられるタイミングを見ていきます。
転職を考えるタイミング1:他にやりたい仕事がある
日々の仕事に追われているときは感じませんが、ふとしたときに「あれ?わたしのやりたいことってこんなことだっけ?」などと感じてしまいますよね。
苦労して就職活動をして、ようやく入ったこの会社。前途洋々、バラ色の人生が待っているかのような錯覚もしていました。
でも実際の仕事はやりたいこととは大違いで、毎日忙しいだけでやりがいも感じられない。
- 仕事をする目的が全く分からない
- その仕事の先にあるものがみえない
などと感じるなら、転職を視野に入れて考え始める時期かも知れません。
でもちょっと待って。
もしかしてあなたの動機は「逃げ」になってはいませんか?
「こんな仕事やりたくない」「こんなはずじゃなかった」「楽しくない」などの不満から逃げ出したい一心で転職を考えてはいませんか?
いえ。べつに逃げが悪いわけではありません。嫌だという気持ちは自分を守るための重要なシグナルですから。そこを包み隠さず、しっかりと向き合うことが必要なのです。
そして「嫌だから逃げる」のではなく「どう対処するのか」をじっくり考え、転職を「逃げ」ではなく、前向きな「人生の軌道修正」の機会にすることが大切です。
「もっとお客様とつながる仕事がしたい」「あの仕事をやってみたい」「あの会社で働きたい」「自分の夢に近づきたい」といった未来の自分へのワクワク感がこみ上げてくるのなら、良いタイミングです。
迷わず具体的に夢をかなえる準備をしましょう。
転職を考えるタイミング2:会社の将来性が不安
冒頭にも書いたように、人生という限られた時間の中で、大きな割合部分を占める「仕事」を「面白くない」と感じていたのなら、人生そのものも大部分が「面白くない」ものになってしまいます。
では、面白い仕事とはどんなものでしょう?
いろいろな要素が考えられますが、会社が持つビジョンに共感でき、熱い想いを一緒に叶えたいと思えることもそのひとつです。
- あまり結果も出していないのに、それなりに評価されている社員が多い(特に社歴が長い人など)
- 風通しが悪く、経営者の想いどころか、あからさまな情報格差が上司と部下の間にある
- 表面的なコストカット(コピー用紙の制限など)だけで満足して、本質的な問題が見えていない
もしこんなサインが見えてきたら、それは転職を考えるタイミングかもしれません。できれば社長や上司に直接聞いてみて、明確なビジョンが見えず黙り込むようであるなら転職の準備を始めましょう。
転職を考えるタイミング3:給与に不満がある
給与の悩みは直接生活に密着してくる問題です。「仕事が充実していれば給料なんていらない」などと言う人であればいいのですが、そんな人はなかなかいませんよね。
給与や評価についての不満を持つ人は非常に多いのですが、まずは自分がどんな不満を持っているのか分析してみる必要があります。
「評価が短期間で給与に反映されない」「昇進や昇給の評価基準がはっきりしない」「もっと正当に評価して欲しい」などなど。
こうした不満は給与や評価制度と自分の価値観がずれているのが原因です。
例えば年功序列型の人事、給与の仕組みの会社では、なかなか実力をそのまま評価してもらうことは難しいかもしれません。
一方、完全実力主義であれば実力はそのまま給与に反映されますが、成果を出せないと給与はダウンする可能性もあります。
自分がどんな形を望み、どれくらいの成果を出せるかといった客観的な自己分析も必要でしょう。
ただし、世に言う「ブラック企業」と言われるような会社で、フラフラになるまで働いているのに、生活もままならない給与しかもらえないなどと言う場合は話が別。
タイミングがどうのこうのではなく直ちに転職を考えるべきであり、雇用の実態があまりにも酷いようであれば、公的な機関に相談しましょう。
影の転職理由第1位?人間関係での転職のタイミング
悲しい現実ですが「いじめ」は子供の世界だけの話ではありません。
もちろん大人ですから、あからさまにわかるようにやらないのが余計にタチが悪いのかもしれませんが。会社の中でも、いじめも含めた人間関係で多くの人が悩んでいます。
人間関係を円滑にできるように努力するのはもちろんですが、それでもどうしても改善されないようであれば「転職」を考えることは自然な流れです。
辞めるタイミングを誤り、ストレスでメンタルを病んでは元も子もありません。
- あなたのアイディアが無視される、歓迎されない
- 人前でけなされる
- 「ありがとう」と最近言われない
- 日々眠れないほどのストレスを感じる
感じない人にとっては何てこと無いことでも、あなたにとって耐え難いストレスである場合は多々あります。
そして最悪なのは、周りと上手くいかないこと、周りに認められないのは「ぜんぶ自分のせいだ…」と自分を責めてしまうこと。
そうやって自分を責めるようなことを繰り返していると、だんだんそれが当たり前になり、どんなこともネガティブに考えるようになってしまいます。
そうなる前に環境を変え、やりがいを持って楽しく仕事のできる環境に移ることは決して悪いことではないと思います。
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まとめ
転職を決断するまでにはいろんな葛藤を乗り越え、迷いを振り切らなくてはなりません。
ただ闇雲に逃げ出すように退職してしまうのではなく、自分自身の現状をもう一度しっかりと確認することからはじめましょう。
そして「ここだ!!」と言うタイミングで人生を好転させるような転職につなげられるといいですね。
いずれにしろ、転職することがゴールではありません。転職先で新しいスタートを切り、あなたの人生を充実させるようなエキサイティングな未来にすることが目的です。
チャンスの神様には後ろ髪がないのを知っていますか?あなたのタイミングを逃さず、チャンスの神様の前髪をしっかりと握りましょうね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。