「全てを自己責任と捉えることで物事をコントロールすることができる」
こんな風に言うと、自分にすごく厳しくストイックな印象を受けるかもしれませんが、主体的に生きるために僕がいつも意識していることです。
松下幸之助氏は「雨が降っても自分のせい」と言ったそうです。
自己責任で捉えるからコントロールできる
何か失敗をした時にそれを誰かのせいにしていたら、その誰かが変わるまでその問題が解決しないことになります。
しかし「自分の責任」と捉えれば、自分が変わればその問題は解決できる。こう捉えることで物事をコントロールすることができると考えています。
何かを成し遂げるうえでは、この考え方はとても重要だと思います。しかし、普段から全てをそう捉えるのは正直しんどい部分もあります。
何が起きても自分を責めてしまうからです。
一方で、あまり自分を追い詰めないタイプの人もいます。実は、結果を自分以外のせいにするのは「前向きな人」の傾向だともいえるようです。
失敗の「原因帰属先」について
失敗した時の思考・行動で重要なことは、「失敗」という事実よりも「失敗の原因をどう捉えるか」なのです。
心理学ではこれを「原因帰属」といいます。たとえば3回続けて司法試験に落ちた時、あなたはどう思うでしょうか?
- 1.やっぱり自分には向いてないのかな
- 2.自分はまだまだ努力が足りないな。
- 3.今回は調子が悪かっただけだ。
- 4.さすがに難関資格。これじゃ落ちるのも無理ないな。
心理学者ワイナーは原因の帰属先を所在(内的要素or外的要素)と性質(安定要素or不安定要素)によって4つに区分しました。
内的とは自分の中にある要素、外的は自分以外の要素。安定要素は変化させられない要素、不安定要素は変化させられる要素です。
それら4つの区分は、上の例で言えば次のようになります。不合格の原因の帰属先(所在・性質)が
「内的・安定」…1
「内的・不安定」…2
「外的・安定」…4
「外的・不安定」…3
この中で最も将来性のある考え方は、2の「努力が足りない説」です。「自分次第で結果は変えられる。もっと努力さえすれば!」という前向きさを感じます。
これについては大部分の方が異論はないところでしょう。
逆に最も危険な考え方は3でも4でもなく、実は1の「向き不向き説」です。
その理由は、1は自分自身に原因があると意識していながらもなおそれを変えようとしないので、一番向上心が低く諦めに近いからです。
このように考える人は「俺なんか…」「どうせ無理だし…」と負のスパイラルにハマりやすいタイプであると言えます。
僕は最初、3と4はいいかげんな人間の思考であり、失敗という結果を真摯に受け止める態度ではないと思っていました。
自分以外のものに責任転嫁して逃げているだけだと感じたからです。
でも実際には「自分以外のもの」に責任の所在を求めたほうが「元々、自分には向いていなかった」と変な理由をつけて諦めてしまうよりは「今回ダメでもまだ次がある!」という希望が持てるのです。
ナインティナインの岡村さん
以前バラエティ番組で、復帰したばかりの歌手の華原朋美さんがナインティナインの岡村隆史さんに尋ねているのを観ました。
「一体どうやってあの状況から芸能界に復帰できたのか」と。
この記事を書いている時点では、華原朋美さん自身も歌手として3度目のリ・スタートを切ったばかりです。華原さんの問いに対して、岡村さんはこのように答えていました。
自分も「復帰なんかもうゼッタイ無理やわ」って思ってた。「けど復帰せずに辞めても、復帰してから辞めても一緒やな」て思った。
「通用せえへんかったら辞めたらええやん」て思って一回やってみた。そしたら「あれ?オレ、できてるやん!」て思った。そのままの流れで今まで来てる。
病気する前の自分は「スベったら全部自分が悪い」と思ってた。
でも今はちょっと違う。「スベってもオレだけが悪いわけじゃない」と思ってる。
「こんな企画をしたプロデューサーも悪い」
「スベったところを撮ったカメラマンも悪い」
「スベった発言を拾った音声も悪い」
「スベったオレを照らしてる照明も悪い」
「そんな風に自分以外のせいにしたら、楽になったんよ」と話していたのをふと思いだしました。
「何もかも全部、自分一人で抱え込もうとしない」。生き方上手には、こんな一面も必要なのかもしれませんね。
あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。