職場に対する不満とモチベーションの高さは関係なかった!?

居眠りする男性 仕事

あなたは今の職場に対して不満がありますか?「ない」と答えられる人のほうが少数派だと思うのですが。

もし不満があるならば、それはどんなことでしょうか。残業ですか?休日出勤ですか?それとも給料でしょうか?

それらの不満がなくなれば、もっとやる気になりそうですか?

不満とやる気の関係とは?

職場に対する不満にはたとえば、人間関係・給料の額・残業の多さ・休日の少なさ接待の回数・作業環境・会社までの通勤距離、他にもいろいろあると思います。

それらは仕事に対するあなたのモチベーションにどう影響していますか?もし不満が解消されたら、もっとやる気が出そうですか?

「不満が全部解消されても、きっとやる気は出ませんよ」といったら驚くでしょうか?

ハーズバーグの二要因理論

職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論に「ハーズバーグの二要因理論」というものがあります。

これはアメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した理論です。この理論によると、人間の行動には「衛生要因」と「動機づけ要因」という2つの要因があります。

衛生要因とは「人間関係・給料の額・残業の多さ・職場環境」などです。これらは前述の『不満』を引き起こす要因にもなります。仕事に不満を感じる時は、その人の関心は自分たちの「作業環境」に向いています。

動機づけ要因とは「やりがい・達成感・責任感・承認・昇進」などです。これらが大きいほど、強い『やる気』が生じます。

つまり仕事に満足を感じる時は、その人の関心は「仕事そのもの」に向いているのです。

どこまでもキリのない不満

ここで気をつけなければならない点は「不満は解消しても次々に出てくる」ということです。

  • 給料が上がった。
  • 同僚がいい人ばかりになった。
  • 残業がなくなった。
  • 休日出勤がなくなった。

短期的には、それはもちろん喜ばしいことです。でも、しばらくしてそれが当たり前の状態になると今度はまた別の不満が必ず出てくるものです。

不満の解消とやる気は別問題

仕事中に一服する男

衛生要因がいくら改善しようが、それは単に「不満の解消」にしか過ぎません。それがそのまま「やる気」に直結するワケではないのです。

また、衛生要因の改善は簡単なことではありません。「人間関係・給料・勤務時間・休日」といった要素は自分自身でコントロールできることではないのです。究極的には、転職しなければ改善できないことかもしれません。

また、それが改善されるまで待っていたら、いつまでもやる気は出てこないことになります。そうした受け身の姿勢ではなく、自分のやる気は、自分自身でコントロールするべきだと思うのです。

『不満』と『やる気』は、対極にある概念ではありません。「不満を解消すればやる気が出てくる」という関係にはないのです。

モチベーションアップのために

夕日に万歳するシルエット

あなたが仕事の満足感・やる気を高めようと思ったら、やるべきことは不満の解消ではなく「動機づけ要因」にアプローチすることです。

動機づけ要因を刺激することにフォーカスする。日々の仕事の中で、どんなに小さいことでもいいので自分にとって「面白がれること」を見つけることです。

現状の不満ばかりに焦点を当てていると、いつまで経ってもやる気は出てきません。自分が「面白い」とか「成長できる」と思える部分にフォーカスすることが大切です。

1日の大半を占める職場での時間。可能な限り自分の意識をコントロールして有意義なものにしていきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

現状への不満は一種の足かせになるかもしれません。不満が多い人ほど、多くの足かせがついていて足取りが重く感じるでしょう。

でも、その足かせを全部外したとしても結局歩くのは自分自身の足なのです。足かせを前進できない理由にするのではなく、独自の視点で「面白がれること」を探す。この心掛けがあれば、たとえこの先あなたがどこに転職したとしても「職場の環境」にモチベーションが左右されることはないのではないでしょうか。

あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。